演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん患者における血清ナトリウム値と身体機能との関連性の検討

演題番号 : O139-1

[筆頭演者]
宮田 知恵子:1,2 
[共同演者]
辻 哲也:1,3、石川 愛子:1、田沼 明:4、橋口 さおり:2,5、里宇 明元:1

1:慶應大医リハビリ医学、2:慶應大病緩和ケアチーム、3:慶應大医腫瘍セ リハビリ部門、4:静岡県立静岡がんセ リハビリ科、5:慶應大医麻酔学教室

 

【はじめに】低ナトリウム(以下、Na)血症は、高カルシウム血症とともにがん患者で頻度の多い電解質異常である。近年、無症候性低Na血症が、高齢者の転倒・骨折リスクと関連性があるとの報告が散見されるが、がん患者における血清Na値と身体機能に関する本邦での報告はまだない。本研究の目的は、がん患者の低Na血症と身体機能の関連性を検討することである。【対象】静岡県立静岡がんセンター・慶應義塾大学病院において、がんおよびその関連症状の加療目的に入院中の患者でリハビリ介入依頼のあった患者50名(男性28名、女性22名、平均年齢66.5±13.3歳)。脳梗塞・脳出血の既往、原発性・転移性脳腫瘍は除外。【方法】研究デザインは横断研究。リハビリ介入前の身体機能を既存のECOG Performance Status (PS)および我々が新しく開発したcFAS (Cancer Functional Assessment Set) 、ADLを FIM(Functional Independence Measure)を用いて評価。それらの評価結果を低Na血症群(<135mEq/l)と正常群で比較検討した。また、血清Na値と身体症状(疼痛・嘔気・倦怠感・呼吸困難感)の関連性を検討した。【結果】平均血清Na値は、135.2±5.3mEq/L。低Na血症は、20名(40.0%)に認めた。PS(平均値)は、正常群1.8±0.9、低Na血症群2.9±0.8。cFAS(平均値)は、正常群71.9±15.2、低Na血症群57.2±15.3。FIM(平均値)は、正常群103.2±19.5、低Na血症群81.5±23.2と低Na血症群の身体機能およびADLは有意に低かった(P<0.01)。特に、低Na血症群では、筋力および最大動作能力が有意に低く(P<0.01)、バランスや足関節可動域も低い傾向にあった。一方、血清Na値と身体症状に明らかな関連はなかった。【考察】がん患者では、様々な要因により慢性的に血清Na値が低値で推移することが少なくない。慢性の低Na血症は無症候性であることが多く、本研究においても身体症状と血清Na値に明らかな関連は認めなかった。しかし、低Na血症群では、身体機能およびADLが有意に低下しており、血清Na値は、がん患者の身体機能に大きく関与していることが示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:リハビリテーション

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