演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

非B型非C型肝細胞癌の臨床病理学的検討

演題番号 : O135-6

[筆頭演者]
香月 優亮:1 
[共同演者]
板野 理:1、北郷 実:1、篠田 昌宏:1、阿部 雄太:1、日比 泰造:1、八木 洋:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学 医学部

 

【背景】近年、非B型非C型(NBNC)の肝疾患を基盤にした肝細胞癌の増加が指摘されている。全国集計ではNBNCを基盤とする肝細胞癌は15%で、臨床的、病理学的な危険因子が指摘されてきている。【方法・目的】1991年4月から2013年3月の間に当教室において切除術を施行された肝細胞癌症例で、NBNC肝炎とB型肝炎、C型肝炎の症例の3群間でretrospectiveに臨床病理学的特徴を比較し検討する。【結果】上記期間に当科で施行された肝細胞癌の切除症例は485例であった。男性380例、女性105例、平均年齢は62歳であったが、NBNC群では平均年齢66歳で高齢であった。肝背景疾患の内訳はNBNC 104例 (21.4%)、B型135例 (27.9%)、C型246例(50.7%)であった。NBNC群の内訳はアルコール多飲例45例、原因不明(NAFLDを含む)の症例56例、PBC 3例であった。年代別にみても1990年代と比較して2000年代でNBNC群は優位に増加傾向にあった。NBNC群ではB型肝炎群、C型肝炎群と比較して肝機能が良好である症例が多く、肝硬変に進展する症例は少なかった。NBNC群はB型肝炎群、C型肝炎群に比較して糖尿病、高脂血症、高血圧、アルコール多飲歴、肥満を合併している症例を多く認めた。腫瘍の病理学的因子にはNBNC群では腫瘍径が大きかったが、脈管侵襲は少ない傾向であった。3群間の無再発生存期間、全生存期間に有意な差を認めなかった。【結語】当科の肝細胞癌手術症例の背景疾患は全国集計に比し同程度の割合であった。今後はNBNCの肝細胞癌が増加していくことが予想され、さらなる症例の蓄積が必要ではあるが、糖尿病など生活習慣病の合併を伴う患者は肝炎ウイルス陰性例であっても、肝細胞癌の発生を念頭に置いた経過観察が必要となると思われる。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

前へ戻る