演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Nonalcoholic Steatohepatitis (NASH)肝癌とアルコール性肝癌の比較

演題番号 : O135-5

[筆頭演者]
岸田 憲弘:1 
[共同演者]
板野 理:1、辻川 華子:2、真杉 洋平:2、篠田 昌宏:1、北郷 実:1、日比 泰造:1、阿部 雄太:1、八木 洋:1、坂元 亨宇:2、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学 外科、2:慶應義塾大学 病理

 

【目的】NASHを背景肝とした肝癌とアルコール性肝炎を背景とした肝癌の臨床病理学的違いを明らかにする.
【方法】2003年1月から2010年12月の間に当教室において肝切除術を施行された非B型非C型の背景肝を有する症例のうち,NASH関連のものとアルコール関連のものを臨床病理学的に比較検討する.
【結果】上記期間に当科で施行された非B型非C型の背景肝から発生した肝癌の切除例は45例であり,その内訳はアルコール多飲例(アルコール20g/日以上) が20例 (44.4%),非多飲例が25例 (55.6%)であった.後者のうち組織学的にNASHの関連が疑わしいものは15例(60.0%)であった.NASH関連性(N群),アルコール性(A群)の平均年齢はそれぞれ,66.3±9.0歳,65.6±10.6歳で,性別は男性が13例(86.7%),18例(90.0%)であった.またそれぞれのBMIの平均値は26.2kg/m2,24.5 kg/m2であり,高血圧を有する症例が8例(53.3%),10例(50.0%),糖尿病を有する症例が9例(60.0%),9例(45.0%),脂質異常症を有する症例が5例(33.3%),2例(10.0%)であった.背景肝が肝硬変に陥っているものは,5例(25.0%),6例(40.0%),術前肝機能はChild CをN群で2例,A群で3例認めた以外は全例でChild Aであった.Child Cの症例には全例で生体肝部分移植術が施行されていた.腫瘍の進行度は,pStage I/II/III/IVAの内訳が, N群で2 (13.4%)/5 (33.3%)/5 (33.3%)/3 (20.0%)例,A群で0(0%)/7(35.0%)/9(45.0%)/3(15.0%)例であった。術後再発例はN群9例(60.0%),A群7例(35.0%)であった.患者背景、腫瘍因子に関しては両群で明らかな有意差を認めなかった。N群とA群で再発した症例のうち死亡した症例は,N群で9例中6例(66.7%),A群で7例中1例(14.3%)であった.全症例の無再発生存期間の中央値は,N群で751日(89-2887日),A群1060日(178-3229日)であった.
【考察】NASH関連の肝癌はアルコール関連のものに比べて患者背景や両群の腫瘍の進行度や再発率はほぼ同等であったが、NASH関連肝癌の再発症例は半数以上で死亡しておりアルコール性の再発例よりも予後が悪い傾向にあった(p=0.06).

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:その他

前へ戻る