演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科における肝細胞癌術後の肝外転移症例の検討

演題番号 : O135-1

[筆頭演者]
石井 政嗣:1 
[共同演者]
板野 理:1、篠田 昌宏:1、北郷 実:1、阿部 雄太:1、八木 洋:1、日比 泰造:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大, 外科学教室

 

【背景】進行肝細胞癌の肝外転移に対する治療はソラフェニブ出現後もその治療成績は十分とは言えず、肝細胞癌の予後延長の大きな障害となっている。【目的】肝外転移の予後解析を施行し、肝外転移に影響を与える因子、肝外転移に対する予測因子を明らかにする。【対象と方法】対象としては当院にて1991年から2011年まで初回治療として肝細胞癌に対して肝切除術施行した421例で肝外転移を認めた群(肝内転移を併発しているものを含む)と肝内転移のみを認めた群に分け、生命予後に関して、肝外転移群を肝内転移のみの群と比較検討を行った。【結果】対象症例は年齢25~82歳、平均66歳、男性344例、女性77例、ウイルスとしてはHBV119例、HCV212例であった。再発症例は257例、肝内転移のみの症例は228名、肝外転移のみの症例は19例(肺8例、リンパ節5例、腹膜3例)、肝内転移併存の肝外転移症例は10例(肺4例、骨3例、副腎2例)であった。症例全体の5年生存率は66.6%、5年無再発生存率は27.6%、無再発生存の中央値は718日であった。肝内転移症例の5年生存率は64.3%、5年無再発生存率は27.5%、無再発生存の中央値は380日であった。肝外転移症例の5年生存率は27.5%、無再発生存の中央値は141日であった。5年生存率において肝外転移症例のほうが肝内転移症例に比較して有意に不良(p<0.05)であった。同様に5年無再発生存率においても有意に不良(p<0.05)であった。また、肝外転移に影響を与える因子として単変量解析を施行すると、腫瘍径、AFP、Alb、脈管侵襲、発育様式、被膜形成、漿膜浸潤(p<0.05)が挙げられ、多変量解析を行うとAFP、Alb、発育様式が肝外転移に影響する因子として挙げられた。【結語】術後に肝外転移を示す症例は肝内転移のみを示す症例に比べ、術後早期に再発し、予後不良となることが示唆された。また、肝外転移に影響する因子から、肝外転移を起こす可能性の高いものに対しては綿密な経過観察が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:集学的治療

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