演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝機能不良(肝障害度B)の肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除術の安全性と治療成績

演題番号 : O134-3

[筆頭演者]
桂 宜輝:1 
[共同演者]
武田 裕:1、中平 伸:1、賀川 義規:1、沖代 格次:1、竹野 淳:1、向坂 英樹:1、谷口 博一:1、柄川 千代美:1、加藤 健志:1、田村 茂行:1

1:関西労災病院 外科

 

「目的」腹腔鏡下肝切除術は保険収載後、全国で急速に普及したことから、様々なdeviceの発達や手技の向上が認められており、低侵襲性から肝機能不良例での肝切除の適応拡大にも期待されている。当院では、平成22年6月に腹腔鏡下肝切除術の施設基準の認可を受け、腹腔鏡下肝切除術を施行している。今回、肝障害度Bの肝細胞癌症例における完全腹腔鏡下肝切除術の安全性と治療成績を開腹手術と比較検討した。「対象」診療ガイドラインに従い、肝細胞癌は、肝障害度A,B腫瘍数3個以内を切除対象とした。2010年6月から2012年11月までに95症例の肝細胞癌に対して腹腔鏡下肝切除術(完全腹腔鏡下82例、用手補助下2例、腹腔鏡補助下11例)を施行し、肝障害度Bの完全腹腔鏡下肝切除症例は26例であった。同期間の血行再建、胆道再建を伴わない肝切除は全て腹腔鏡下に肝切除しているため、2005年4月から2010年3月までに開腹下に肝切除した84例の中で肝障害度Bの肝細胞癌症例23例と比較検討した。「結果」背景因子(腹腔鏡/開腹)は、年齢が70.3歳/70.2歳 (p=0.48)性別は男:女=15:11/18:5(p=0.10)と有意差なく、肝切除範囲に関しても、葉切除が1例/4例、区域切除が4例/4例、部分切除が21例/15例であり同等であった。手術時間は296.2分/206.3分(p=0.03)、出血量は280.4g/1230.2g(p<0.001)であり、腹腔鏡下肝切除では有意に手術時間は長かったが、出血量は少なかった。術後在院日数は14.3日/16.8日(p=0.16)で有意差は認めなかったが、短い傾向にあった。またStage4を除いた1年無再発生存率は77.5%/76.7%、2年無再発生存率は43.1%/23.6%であり有意差を認めず、良好な成績であった(p=0.18)。「考案」肝障害度B症例においても、腹腔鏡下肝切除術は出血量が少なく、安全に施行する事が可能であり、無再発期間は同等の良好な成績であった。低侵襲性と整容性を兼ね備えている腹腔鏡下肝切除術は、経皮的局所療法の困難な、横隔膜下の腫瘍、肝表面の腫瘍、胆嚢や消化管に近接した腫瘍では、経皮的局所療法に勝る可能性のある新しい治療法選択になると考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

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