演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝細胞癌高度肝障害例における腹腔鏡下肝切除術の妥当性

演題番号 : O134-2

[筆頭演者]
合川 公康:1 
[共同演者]
宮澤 光男:1、渡邊 幸博:1、岡田 克也:1、岡本 光順:1、山口 茂樹:1、小山 勇:1

1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

 

【背景】高度肝障害を有する肝細胞癌の治療方針において、その耐術能を考慮すると非外科的治療が選択される場合が多い。一方、近年急速に導入が進んでいる腹腔鏡下肝切除では、比較的低侵襲で病変の切除が可能であるが、高度肝障害が併存する場合の安全性や癌の根治性においては未だコンセンサスを得られていない。今回は、我々の施設で行われた肝障害度B、C症例における腹腔鏡下肝部分切除手術(LH)と開腹肝部分切除(OH)を比較し、高度肝機能障害を有する肝細胞癌への腹腔鏡下肝部分切除の安全性と妥当性を検討した。【方法】対象は2008年4月より2013年4月までに当院で行われた完全腹腔鏡下肝切除(外側区域切除を含む)75例の内、肝細胞がんB、C症例に対し行われた肝部分切除(LH)症例19例。比較対象は、2007年4月から2009年12月までに肝細胞がんB、C症例に対し行われた開腹肝部分切除(OH) 9例とした 。肝障害度はLH症例にCが3例あり、その他はBであった。【結果】患者年齢、肝障害の原因、腫瘍サイズ、個数、腫瘍部位、基礎疾患の有無、いずれの患者背景においてもLH,とOHに差を認めなかった。手術時間は200 (108-468) 分vs 179 (45-333) 分と有意差は認めなかったが、出血量は58 (0-400) ml vs 620 (30-1700) ml、術後在院日数は6.8 (3-119)日vs 15.4(6-589)日、と有意にLHが少なかった。手術関連合併症はLHに無気肺と腸閉塞の2例を認めたが、保存的治療で軽快した。OH群は、1例の腹腔内出血と2例の肝不全を認め、いずれも治療に難渋した。切除断端陽性率、術後無再発生存期間はLH群、OH群ともに有意な差は認めなかった。【結語】腹腔鏡下肝切除は、高度肝障害症例に対しても、安全に施行可能であり、癌の根治性においても開腹手術と同等であった。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

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