演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膵癌術後補助化学療法としてのTS-1の有効性について-JASPAC 01試験をうけ実臨床として

演題番号 : O130-3

[筆頭演者]
松田 正道:1 

1:虎の門病院 消化器外科

 

【はじめに】JASPAC-01試験の結果をうけ、少なくとも本邦では今後TS-1が膵癌術後補助化学療法(adjuvant)の標準治療に位置づけられると考えられる。しかし実臨床での有効性・安全性の評価は、今後の症例集積を待たねばならない。当科では2005年よりadjuvantとしてTS-1の投与を行い、その安全性に関する報告を行ってきた。今回は実臨床としての立場からその有効性について、relative dose intensity ( RDI )、2年無再発生存率(RFS)、生存期間中央値(MST)をretrospectiveに解析した。【患者背景・投与方法】当科で切除を行い、組織学的に浸潤性膵管癌と判明し、かつadjuvantとしてTS-1使用の同意が得られた24例を対象とした。投与開始は臨床的判断に基づいた。全て術後に重篤な合併症がなかった症例で、開始時のKPSは全例100%であった。2週連続・1週休薬を1クールとし、投与期間は、6ヶ月(8コース)以上を目標とした。【対象の内訳】男/女:18 / 6、年齢中央値64歳、術式はPD / DP / TP : 15 / 7 / 2、Stageは3 / 4a / 4b : 1 3/ 10 /1、局所癌遺残はR 0 / 1 / 2 : 16 / 7 / 1であった。【結果】1. 全症例の2年RFSは42.1 %、2年/ 5年生存率は73.7 % / 38.3 %、MSTは40.2ヶ月であった。2. 24週( 8コース)以上の投与が可能であった14例中4例に48週以上の投与ができた。投与期間におけるRDIの中央値は0.9 ( 0.7-1.0)であった。7例が再発したが、2年RFSは57.1 %、2年/ 5年生存率は92.9 % / 52.2 %であり、全生存期間はいまだ中央値に達していない( NR )。投与中止理由は再発(3)、皮疹(5)、食欲低下(2)であった。【考察】症例数が少ないこと、また本研究の対象は病期・治癒度が異なる集団であるため、今回の検討はあくまで参考にすぎないが、実臨床においてもJASPAC-01試験を支持する結果が得られたと考えられる。またJASPAC-01試験では4週投与・2週休薬が選択されていたが、2週投与・1週休薬でも同様の有効性があるものと推測された。長期投与の一部において手足症候群が発現し継続投与の妨げとなったが、adjuvantとしてのTS-1の血液毒性・消化管毒性・肝腎機能障害は軽度であった。また今回の検討から、TS-1を24週以上服用できた症例の生存率はきわめて高いと考えられた。【結語】adjuvantとしてのTS-1は実臨床でも有効であり、6か月以上内服できた症例は良好な予後を獲得できる可能性があると考えられた。さらなる追試結果を期待したい。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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