演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膵癌術後補助療法としてのGEM、S-1、GEM/S-1療法無作為割付第II相試験 (CAP-002)

演題番号 : O130-1

[筆頭演者]
吉富 秀幸:1 
[共同演者]
清水 宏明:1、大塚 将之:1、加藤 厚:1、古川 勝規:1、高屋敷 吏:1、久保木 知:1、岡村 大樹:1、鈴木 大亮:1、酒井 望:1、中島 正之:1、宮崎 勝:1

1:千葉大院 臓器制御外科

 

【目的】膵癌術後治療成績の向上を目指し、ゲムシタビン(GEM)を用いた術後補助化学療法は標準的な治療法となっている。しかし、その成績は満足のいくものでなく、有害事象の発生が高頻度といった問題点がある。近年、5-FU prodrugであるS-1の膵癌に対する有効性が報告された。そこで、本研究では膵癌術後補助化学療法としてのGEM療法, S-1療法, GEM/S-1併用療法(GS)の有効性、安全性を無作為割付第II相試験として比較することを目的とした。【対象、方法】対象は浸潤性膵管癌またはIPMN由来癌にてR0/1切除が行われた20歳以上80歳未満でPS0-2、化学療法または放射線療法の前治療歴がない症例。無作為割付にてGEM群 (GEM 1g/ m2, iv, d1, 8, and 15, q4w X12), S-1群 (80/100/120mg/day based on BSA, po, d1-14, q3w X 16) , GS 群(S-1 60/80/100mg/day based on BSA po, d1-14 plus GEM 1g/ m2, iv, d8, 15, q3w X 16)のいずれかに割付、術後8週以内に治療開始。主評価項目は2年無再発生存率、副次的評価項目は全生存期間、安全性、完遂率など。当科とその関連施設、計22施設で施行。【結果】2007-2010年に96例が登録され、各群32例ずつに割付。患者背景は年齢、腫瘍部位、ステージ、癌局所遺残度、リンパ節転移の有無で各群間に差を認めない。治療完遂率はGEM, S-1, GSで30.0, 48.4, 19.4%であった。2012年11月時点で無再発生存について74イベント(77%)が発生。GEM, S-1, GSの順に2年無再発生存率は24.2, 28.1, 34.4%、生存期間中央値は21.0, 26.0, 27.9ヶ月と両者共に有意差を認めなかった。Grade 3/4の有害事象はGEM, S-1, GSでそれぞれ血液学的毒性が63, 10, 74%, 非血液学的毒性が17, 20, 23%に認められた。試験期間中、治療関連死亡は認めなかった。【結語】全症例で治療関連死亡は認めず、安全に投与ができたが、GS群は有害事象発生が多く、そのため完遂率が低かった。S-1, GS共に標準的治療法であるGEMと同等の治療成績を示した。有効性から考え、今後、膵癌術後補助療法としてS-1とGSの有効性、安全性を比較する第III相試験を実施すべきと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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