演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Borderline resectable膵癌に対する術前放射線併用化学療法の安全性と有用性について

演題番号 : O129-5

[筆頭演者]
廣野 誠子:1 
[共同演者]
谷 眞至:1、川井 学:1、岡田 健一:1、宮澤 基樹:1、清水 敦史:1、北畑 裕司:1、上野 昌樹:1、速水 晋也:1、重河 嘉靖:1、山上 裕機:1

1:和歌山県立医科大学 第2外科

 

【目的】Borderline resectable膵癌は肉眼的に根治切除可能であっても、病理学的に癌遺残(R1)を認めることが多く、予後不良である。今回われわれは局所進行膵癌症例に対し、R0を目指した術前放射線併用化学療法の安全性および有用性を検討する。【方法】Borderline resectable膵癌21例(≦180度のSMA周囲神経叢浸潤膵癌:7例,GDA根部に近接した膵頭部癌:4例,腹腔動脈神経叢浸潤膵癌:11例)を対象とした。術前放射線治療は動脈周囲のR1ホットスポットを集中的に照射(2Gy/回,25回,計50Gy)し、術前化学療法はTS-1隔日投与(80mg/m2/日を月・水・金・日の計4日/週)6週間施行した後、画像診断で増悪がなければ3週間後に切除した。【成績】術前放射線化学療法による副作用(CTCAE version 4.0)は、grade 1が9例(43%)、grade 2が3例(14%)、grade 3が2例(10%)、grade 4は0例で重篤な有害事象を認めなかった。術前治療前後の腫瘍マーカーはCEAおよびCA19-9でそれぞれ2例のみ上昇を認め、PETにおけるSUVmaxは全例で低下した。手術術式は膵全摘術 1例,幽門輪切除膵頭十二指腸切除術 10例,腹腔動脈合併切除を伴う膵体尾部切除術(DP-CAR)10例で、14例(67%)に門脈合併切除を施行した。病理学的診断では、16例(76%)にリンパ節転移を認め、UICC stageはstage IIA 5例(24%),IIB 15例(71%),III 1例(5%)であった。放射線治療効果(Evans分類)はgrade 1: 7例,grade 2a: 10例,grade 2b: 3例,grade 3: 1例であった。癌遺残率はR0 17例(81%),R1 4例(19%)と高率にR0を得られた。しかしながら、DP-CAR症例10例のうち1例で、手術中、放射線照射による腹腔動脈根部の脆弱化を認め、腹腔動脈が損傷し、修復術が必要であった症例を経験した。このことから、放射線照射方法の見直しが必要であり、また化学療法のみの術前治療との安全性および長期予後の比較が重要である。【結論】Borderline resectable膵癌症例に対し、術前TS-1隔日投与による化学療法と放射線治療を併用することで高率にR0を得ることができた。今後長期予後を解析し、術前化学放射線併用療法の有効性をさらに検討していく。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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