演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Borderline resectable膵癌に対するS-1併用術前化学放射線療法

演題番号 : O129-4

[筆頭演者]
藤井 努:1 
[共同演者]
末永 雅也:1、山田 豪:1、神田 光郎:1、小林 大介:1、田中 千恵:1、中山 吾郎:1、杉本 博行:1、小池 聖彦:1、野本 周嗣:1、藤原 道隆:1、中尾 昭公:2、小寺 泰弘:1

1:名古屋大院 消化器外科学、2:名古屋セントラル病院 外科

 

【目的】当教室におけるNCCNのBorderline resectable(BR)膵癌に対するNACRTの治療成績を検討する。【対象・方法】2013年3月までに、S-1併用NACRTを施行したBR膵癌24例(上腸間膜動脈(SMA)周囲浸潤8例、総肝動脈(CHA)周囲浸潤7例、両動脈浸潤1例、門脈1例、上腸間膜静脈(SMV)浸潤7例)。S-1 80mg/m2を2週投与1週休薬で2コース、放射線療法を計50.4Gy のNACRTを施行した。【結果】CTCAE grade3以上の有害事象は好中球減少2例、食欲不振1例、胆管炎2例、胆嚢炎1例、腫瘍出血1例で、完遂率は88%、S-1の相対容量強度は平均92%、奏効率は13%、疾患制御率は88%であった。肝転移の出現の2例(8.3%:SMA群1例、CHA群1例)、患者拒否の2例(SMA群1例、CHA群1例)を除いた20例で開腹術を施行、19例で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(15例で門脈合併切除)、1例で膵体尾部切除術を施行した。手術例の平均血清CA19-9値は初診時1057-術前治療後262であった。Clavien-Dindo grade3以上の合併症は腹腔内膿瘍1例、横行結腸縫合不全1例を認めた。1.動脈浸潤12例:動脈浸潤所見は術前CT上不変であったが、病理組織学的検査では膵外神経叢浸潤は全例で癌陰性で、動脈からの剥離断端も癌陰性であった(R0手術)。fStage I/ III/ IVaがそれぞれ3/ 5/ 4例。術前画像での縮小率は平均16.7%であったが、組織学的には平均71.4%の腫瘍細胞が消失しており、Evans分類IIa/ IIb/ IIIは4/ 6/ 2例。2.門脈系血管浸潤8例:SMV群2例において術前画像で浸潤所見が消失した。それ以外の6例の血管浸潤部は画像上不変であり、門脈系血管合併切除を施行したが、6例中3例で病理学的門脈浸潤は陰性であった。fStage I/ III/ IVa/IVbがそれぞれ1/ 3/ 2/ 2例。術前画像での縮小率は平均16.4%であったが、組織学的には平均46.3%の腫瘍細胞が消失しており、Evans分類IIa/ IIbは4/ 4例。【考察】S-1併用NACRTは忍容性良好で、高い組織学的効果が得られており有望な治療である。一方で、胆道感染や腫瘍出血などの有害事象、画像と組織学的所見に乖離があるため開腹術以外に切除可否の判断・効果判定の手段がないことなどが課題である。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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