演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除不能膵癌に対する化学療法・放射線療法後の補助的切除の意義

演題番号 : O129-1

[筆頭演者]
元井 冬彦:1 
[共同演者]
水間 正道:1、森川 孝則:1、林 洋毅:1、吉田 寛:1、片寄 友:1,2、江川 新一:1,3、海野 倫明:1,2,4

1:東北大病 肝胆膵外科、2:東北大院医 統合がん治療外科、3:東北大 災害科学国際研、4:東北大院医 消化器外科

 

[背景]切除不能膵癌に対しては、化学療法・放射線療法(CRT)が行なわれるが、近年一部の奏功例に対して切除(Adjuvant surgery)を行なう報告が散見される。[目的]当施設で行なわれたadjuvant surgeryの成績を検討する。[対象]2007年以降に当科でAdjuvant Surgeryを行なった15例。[方法]後ろ向き検討。カルテ・データベースより、切除前治療の期間・効果と生存期間を検討した。[結果]年齢中央値63歳(47-75)、男性11例:女性4例、頭部9例:体尾部6例。切除不能理由は、局所進行13例(全例が半周以上の主要動脈接触)、遠隔転移2例(肝)であった。治療は、CRT10例、化学療法(GS療法)8例(うち両者の逐次が3例)であり、治療後手術までの期間中央値は98日(44-341日)であった。画像上の治療効果は1例がRECIST基準で部分奏効であったものの、他は不変であった。治療前CA19-9値が上昇していた12例(中央値209 U/ml:43.5-1134100 U/ml)中、11例で低下(減少率-20〜99.9%:中央値66%)し、前後でPET-CTを撮像した3例全例でSUVmax値の低下を認めていた。病巣摘除に必要な膵切除に加え、門脈合併切除を7例、腹腔動脈幹合併切除を5例施行し、手術時間は529分、出血量は1250ml(各中央値)であった。術後在院日数は23.5日(中央値)で周術期死亡はなかった。生存期間中央値は26.5ヶ月、無再発生存期間中央値は10.7ヶ月であった。R0切除率は92%(R0かつマーカー正常化率は70%)、N0率は50%であった。組織学的治療効果は評価可能12例中5例(42%)で、Evans分類のGrade IIB/IIIであった。[考察]Adjuvant surgeryは、化学療法などで選別された症例に対して施行された場合に、一定の安全性を持って施行可能であり、生存期間延長効果を持つ可能性が示唆された。今後予後因子による適格症例の選択、治療期間・治療法を明らかにするために、前向きに症例を集積すべきと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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