演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性軟部腫瘍に対するパゾパニブの治療効果と投与法についての検討

演題番号 : O128-4

[筆頭演者]
杉浦 英志:1 
[共同演者]
吉田 雅博:1、長谷川 弘晃:1

1:愛知県がんセンター中央病院 整形外科部

 

【目的】悪性軟部腫瘍に対する効能・効果で承認されている薬剤はこれまでドキソルビシン塩酸塩とイホスファミドのみであったが、これら薬剤による治療後に増悪した患者に使用可能な薬剤としてパゾパニブ塩酸塩(以下パゾパニブ)がこのほど認可された。パゾパニブは高血圧、肝障害、心機能障害などの副作用が報告されているが、邦人にとっての適正な投与法は明らかではない。今回、我々は当院でパゾパニブの内服治療を施行した症例の治療効果と投与法について検討したので報告する。【対象及び方法】抗癌剤による前治療歴のある悪性軟部腫瘍に対してパゾパニブを投与した11例を対象とした。全例、遠隔転移或いは局所進行性の腫瘍で手術の不可能な症例であり、内訳は男性3例、女性8例、投与開始時の年齢は平均52.3歳(24-74歳)、組織型は神経肉腫3例、未分化多形肉腫2例、滑膜肉腫2例、その他4例であった。パゾパニブの投与法は9例に初回開始時800mg/日を投与したが、2例は初回開始時400mg/日を投与した。パゾパニブ投与後の腫瘍縮小効果と副作用発現率を検討した。標的病変の長径和が治療開始前に比較して30%以上縮小した場合をPRとし、有害事象はCTCAE(Version4.0)に基づいて評価した。【結果】腫瘍縮小効果の得られた症例は4例であり、組織型は未分化多形肉腫の2例と神経肉腫の2例であった。主な副作用としては毛髪脱色(73%)、下痢(64%)、高血圧(45%)、疲労感(45%)、肝障害(36%)、吐気(27%)、浮腫(27%)などが見られた。初回800mg/日で開始した9例は全例、投与開始後平均17.6日(5-37日)で副作用の出現によりいったん内服を中止或いは減量を行った。減量により副作用は速やかに改善し、最終観察時には600mg/日投与7例、400mg投与4例であった。400mg/日投与4例では2例に腫瘍縮小効果が見られていた。【考察】これまで抗癌剤による治療効果が得られにくいとされてきた神経肉腫や未分化多形肉腫にも効果が見られたことは、今後の悪性軟部腫瘍に対する治療選択肢として幅が広がるものと思われる。副作用については中止や減量により容易に改善しており、これまでの報告と類似した結果であったが、投与法に関しては400mg/日でも治療効果の得られている症例があることや初回800mg/日で投与しても平均17日で継続投与が困難となっているため、邦人では初回400-600mg/日から開始しても良いと思われた。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:分子標的治療

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