演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性軟部腫瘍に対するパゾパニブの治療効果

演題番号 : O128-2

[筆頭演者]
松峯 昭彦:1 
[共同演者]
齋藤 佳菜子:2、中村 知樹:1、淺沼 邦洋:1、松原 孝夫:1、菅原 由美子:2、水野 聡朗:2、湏藤 啓広:1

1:三重大学大学院医学研究科 臨床医学系講座 運動器外科学・腫瘍集学治療学、2:三重大学病院 腫瘍内科

 

【目的】パゾパニブは, VEGFR、 PDGFRおよびc-Kitに対して阻害作用を示すマルチキナーゼ阻害剤で,2012年に使用可能になった悪性軟部腫瘍に対する初めての分子標的治療薬である。今回我々は、進行性悪性軟部腫瘍に対するパゾパニブの治療効果をretrospectiveに検討した【対象および方法】当院にて治療を行った進行性悪性軟部腫瘍患者8名(男6、女2)を対象にした。年齢は25歳~76歳(平均51歳)で、発生部位は下腿および後腹膜が各2例、頚部、臀部、肝臓、腹膜が各1例であった。病理組織学的診断は平滑筋肉腫3例、未分化多形肉腫2例、類上皮肉腫、滑膜肉腫、血管肉腫が各1例であった。パゾパニブ投与時の治療標的病変は、原発部位が2例、再発部位が1例、遠隔転移部位が5例であった。投与開始からの経過観察期間は2~12か月(平均4.8か月)であった。これら症例におけるパゾパニブによる治療経過を調査し、有害事象と治療効果を評価した。治療効果判定はRECIST基準を用いて評価した【結果】パゾパニブの投与は6例においては、800mg/dayから開始されていたが、2例は安全性を考慮して600mg/dayから開始されていた。8例中2例(29歳:滑膜肉腫、62歳:平滑筋肉腫)で投与量を減量せずに治療継続できていたが、3例では、副作用からの回復に応じて休薬、減量、増量を繰り返しながら治療継続されていた。下痢、血小板減少が休薬、減量の主な理由であった。他の3例はそれぞれ好中球減少症(G3)、蛋白尿尿(G3)、血小板減少(G3)により投与開始2-5.5ヶ月後、治療中止となっていた。頻度の高い有害事象として、食欲不振、下痢(各86%)、体重減少 (63%)、悪心、嘔吐、倦怠感、高血圧、血小板減少(各50%)などを認めた。投与後1か月での治療効果判定は、PR2例、SD5例、PD1例であり、腫瘍学的転機はAWD5例、DOD3例であった。【考察】腫瘍サイズが縮小する症例があることから、パゾパニブは進行性悪性軟部腫瘍に対して高い治療効果を有していると考えられる。しかし、種々の副作用を認めることから、副作用に応じて休薬、投与量の減量・増量を行い、注意深い経過観察が不可欠であることがわかった。【結論】パゾパニブは、進行性悪性軟部腫瘍に対して有用な治療薬であるが、副作用に応じて細かく投与量の調節をする必要がある。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:分子標的治療

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