演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膀胱癌における細胞接着分子CADM1の予後予測因子としての意義

演題番号 : O124-5

[筆頭演者]
川合 剛人:1,2 
[共同演者]
後藤 明輝:2、永田 政義:1、岩井 美和子:2、森川 鉄平:3、久米 春喜:1、深山 正久:3、本間 之夫:1、村上 善則:2

1:東京大 泌尿器科、2:東京大 医科研 人癌病因遺伝子、3:東京大 人体病理学

 

筋層浸潤性膀胱癌は膀胱癌全体の約15%を占め、5年生存率は約50%と低く予後不良であるが、その進展を予測するマーカーは確立されていない。細胞接着分子CADM1 (Cell adhesion molecule 1)は膀胱を含むヒトの様々な臓器の上皮において細胞間接着に関与する一方、多種の癌において癌抑制タンパク質として働くことが知られる。今回、我々は膀胱癌の進展にCADM1が関与する可能性について149例のヒト原発性膀胱癌組織標本を用いて検討した。抗CADM1抗体を用いた免疫組織学的解析において、正常の膀胱上皮では細胞膜上にCADM1の発現が認められたのに対し、膀胱癌ではCADM1の発現低下あるいは欠如が94例(63%)において認められた。そして、CADM1の発現の異常は、膀胱癌のpTステージ、核異型度、リンパ節転移の有無、及び脈管浸潤の有無との相関が認められた。さらに、CADM1の発現の異常は患者の生命予後の不良と強く相関しており(P<0.001)、多変量解析において独立した予後予測因子であることが示された(P=0.020)。これらの結果から、CADM1の機能の破綻は膀胱癌の進展、特に浸潤や転移に関与し、その発現の異常は膀胱癌患者の生命予後の不良を示すマーカーとなり得ることが示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:基礎腫瘍学

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