演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行性腎細胞癌患者におけるsunitinibの血中濃度と治療アウトカムの検討

演題番号 : O124-2

[筆頭演者]
土谷 順彦:1 
[共同演者]
藤山 信弘:2、成田 伸太郎:1、井上 高光:1、斎藤 満:1、沼倉 一幸:1、秋濱 晋:1、鶴田 大:1、佐藤 滋:1、三浦 昌朋:2、羽渕 友則:1

1:秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学分野、2:秋田大学医学部附属病院薬剤部

 

【背景と目的】Sunitinibは進行性腎細胞癌 (aRCC) に対する高い臨床効果を有するものの、有害事象の発生頻度も高く治療濃度域の狭い薬剤と考えられている。また、同一の投与量でもその血中濃度に大きな個体差を有することから、薬物治療モニタリング (therapeutic drug monitoring: TDM)の臨床的有用性が高い薬剤である可能性がある。今回、我々はsunitinibの血中濃度と治療アウトカムならびに有害事象との関連を検討した。【対象と方法】Sunitinibによる治療を行ったaRCC患者25例において、1サイクル目のSUの血中濃度をLC-MS/MSを用いて測定した。Sunitinibの服用時間は9時と21時とし、採血は朝9時(朝食後2時間)に行いトラフ濃度とした。7日目と14日目の血中濃度データの欠損症例(それぞれ3例と6例)では前後日のデータから予測した。観察期間は1.8から20.6か月(中央値9.7か月)であった。【結果】1サイクル目の服薬期間は14日まで9例、15日から21日まで9例、22日から28日までが7例であった。服薬期間が14日以内であった9症例はいずれもSDであったが、休薬直前のトラフ濃度は15日以上継続した他の症例と比較して有意に高かった(P = 0.049)。一方、PD症例(4例)とPR症例(4例)はいずれも2週間以上服薬していたが、PD症例ではSDまたはPR症例と比較してトラフ値が低い傾向にあった。7日目のトラフ値の中央値(68.9 ng/mL)で2群に分けて検討すると、高値群では低値群と比較して有意にSU開始後からの無増悪生存期間(PFS)が長かった(P = 0.021)。有害事象とトラフ濃度、投与期間との関連を検討したところ、甲状腺機能低下症と疲労は休薬時のトラフ濃度よりも7日目のトラフ値と関連しており(P = 0.011と0.011)、投与期間との関連は認められなかった。その他の血液毒性や自他覚症状との明らかな関連は認められなかった。【結論】Sunitinibは有害事象から至適血中濃度を決定することは困難である。低濃度での4週間投与よりも、TDMを行いながら2-3週間投与でも十分な血中濃度の維持を目指した方が高い臨床効果を得られる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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