演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術前血清CRP値は透析患者における初発腎癌の有用な術後予後予測因子である

演題番号 : O123-5

[筆頭演者]
大前 憲史:1 
[共同演者]
近藤 恒徳:1、吉田 一彦:1、飯塚 淳平:1、小林 博人:1、橋本 恭伸:1、田邉 一成:1

1:東京女子医科大学 泌尿器科

 

【目的】透析患者は透析期間が長くなるにつれ高率に腎癌を合併する。また多くの合併症を有する手術ハイリスク群でもある。さらに透析腎癌は病態として散発性腎癌とは異なる様々な特徴を有している。散発性腎癌においては治療前の血清CRP値が治療後の有用な予後予測因子となることが様々な研究で報告されてきた。しかしいまだ透析患者の腎癌に関して血清CRP値の予後予測因子としての有用性を検討した報告はない。今回我々は腎摘術が施行された透析患者の初発腎癌に関して術前血清CRP値が術後の有用な予後予測因子となるか後ろ向きに検討した。【方法】1982年9月から2013年1月の間に当科で初発の腎癌に対して腎摘術が施行された透析患者のうち術前に血清CRP値の評価が可能であった315例を対象とした。平均観察期間は68ヶ月であった。年齢や性別、ECOG PSや透析期間等患者の臨床的特徴及び組織型や異型度等臨床病理組織学的因子も加えて術前血清CRP値と予後との関係を統計学的に検討した。なお、CRP>0.5mg/lを血清CRP値上昇と定義した。【結果】症例の平均年齢は55.5歳、平均透析期間は246ヶ月で257例(81.6%)が男性であった。術前の血清CRP値上昇は75例(23.8%)に認めた。癌特異的生存率はCRP値上昇を認めた症例で有意に低く、癌特異的5年生存率は69.9%と95.2%であった(各々術前CRP値上昇群及び非上昇群;p<0.0001)。また多変量解析では組織学的異型度及び病理学的病期とともに術前血清CRP値が独立した癌特異的生存の予測因子であった。(CRP>0.5:HR=3.64, 95%CI 1.48-9.32, p=0.005)【結論】本検討では透析患者の初発腎癌において術前血清CRP値の上昇は術後予後不良の独立した危険因子であった。透析患者の腎癌においても組織学的異型度及び病理学的病期に加え術前の血清CRP値を用いることでより正確な術後の予後予測が行える可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:バイオマーカー

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