演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

血清microRNA–210を標的とした腎細胞癌の早期診断マーカーに関する検討

演題番号 : O123-2

[筆頭演者]
岩本 秀人:1 
[共同演者]
眞砂 俊彦:1、森實 修一:1、八尾 昭久:1、瀬島 健裕:1、尾崎 充彦:2、岡田 太:2、武中 篤:1

1:鳥取大医泌尿、2:鳥取大生命病態生化学

 

【目的】近年、体液中microRNA(miRNA)を標的としたバイオマーカーに関する報告が、多くの癌腫においてなされている。そこで、今回我々は腎細胞癌の早期診断マーカーとしてのmicroRNA–210(miR–210)の有用性について検討を行った。
【方法】2011年8月から2013年3月までに、病理組織学的に淡明細胞癌と診断された34症例を対象とした。組織サンプルは腎切除標本における腫瘍部および同一標本内の正常腎皮質部より採取し、血清サンプルは全て術前に採取した。また、Healthy controlとして癌の既往歴のない健常者23例から血清の採取を行った。miR–210の発現量の定量にはQuantitative rea–ltime PCRを使用し、発現量の比較にはMann–Whitney test もしくはWilcoxon testを使用した。さらに、receiver operating characteristic (ROC) curve を用いた診断精度、血清miR–210 の発現量と年齢、性別、腫瘍径、診断時転移の有無との関連についても検討を行った。
【結果】対象症例の平均年齢は淡明細胞癌症例で66.5歳(29–86歳)、健常例で56.5歳(36–84歳)あった。病理組織学的進展度はT1a:17例、T1b:8例、T2a:3例、T2b:1例、T3a:3例、T3b:1例であった。また、診断時に転移を認めた症例は、リンパ節転移:2例、遠隔転移:5例であった。miR-210の発現量に関する検討では、組織サンプルでは、腫瘍部において正常部と比較して有意な発現上昇を認め(p<0.001)、34例中31例(92%)で2倍以上の発現上昇を認めた。血清サンプルでは、淡明細胞癌症例において健常症例と比較して有意な発現上昇を認めた(p=0.001)。診断精度については、the areas under the ROC curve (AUC):0.77、感度:65%、特異度:83%であった。また、miR–210の発現量と年齢、性別、腫瘍径、診断時転移の有無の間に相関は認められなかった。
【結論】miR–210は淡明細胞癌組織において、発癌の早期より癌組織で過剰発現しており、血清miR–210は淡明細胞癌の早期診断マーカーとなる可能性がある。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:バイオマーカー

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