演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除不能進行大腸癌におけるPanitumumabの有用性(HGCSG1002) 早期効果予測因子の解析

演題番号 : O122-3

[筆頭演者]
岩永 一郎:1 
[共同演者]
福島 拓:2、小林 良充:2、奥田 博介:3、辻 靖:4、畑中 一映:5、小池 雅彦:6、加藤 貴志:7、中村 路夫:8、曽我部 進:9、佐藤 康史:9、藤川 幸司:9、太田 智之:9、坂田 優:10、小松 嘉人:2

1:北見赤十字病院 消化器内科、2:北海道大学病院 腫瘍センター/消化器内科、3:恵佑会札幌病院 腫瘍内科、4:斗南病院 腫瘍内科、5:市立函館病院 消化器内科、6:KKR札幌医療センター 外科、7:北海道消化器科病院 内科、8:市立札幌病院 消化器内科、9:北海道消化器癌化学療法研究会、10:三沢市立三沢病院

 

背景:抗EGFR抗体薬は、進行再発結腸直腸癌治療において重要な一部となっている。KRAS野生型に対しては、単剤でも一定の抗腫瘍効果を示し、一次治療からの使用例も増えているが、KRAS遺伝子多型の他に有用な効果予測因子は確立されていない。また、早期効果予測因子に関する報告は少ない。今回、臨床的な早期効果予測因子を探索するために、Panitumumab (Pmab)投与早期の血清アルブミン(Alb)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、CEA、CA19-9値の増減と無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)との相関性を検討した.方法:北海道消化器癌化学療法研究会(HGCSG)で行ったPmabの有用性を後ろ向きに検討したHGCSG1002試験(n=200)において、フッ化ピリミジン系抗癌剤、Oxaliplatin、Irinotecanのいずれも増悪中止または不耐となり、かつ抗EGFR抗体薬が未投与の67例を解析対象とした。血清Alb、Mg2+、Ca2+、CEA、CA19-9値については診療録を用いて後ろ向きに調査し、PFS/OSについてはカプランマイヤー法およびログランク検定を用いて評価、検討を行った。結果:患者背景は男/女: 38/29、年齢中央値 64歳 (範囲45-81)、ECOG PS (0/1/2- ) 45/17/5であった。全体の奏効率は16.4%であり、PFS/OSはそれぞれ4.3ヶ月/12.4ヶ月であった。Ca2+とAlb値の変動に関しては、PFS/OSとの相関性を認めなかった。治療期間中に50%以上のMg2+ 低下があった症例は、PFSとOSが長かった(PFS p=0.01、OS p=0.03)。しかし、投与開始4週または8週以内のMg2+ 低下とOS/PFSに相関性はなかった。CEAは投与開始8週以内に40%以上の低下があった症例ではOS/PFSが長く(OS p=0.04、PFS p=0.07)、さらに 4週以内に30%以上の低下があった症例ではPFSが長い傾向にあった(p=0.053)。また、CA19-9は投与開始8週以内に50%以上の低下があった症例でOS/PFSが長い傾向にあった(OS p=0.17、PFS p=0.09)。結語:Pmab投与において、投与早期のCEA/CA19-9低下は臨床的な早期効果予測因子である可能性が示唆された。一方、全治療期間中のMg2+の低下は最終的な治療効果との相関性は認められたが、今回の検討では早期の効果予測因子とはならなかった。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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