演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高齢者大腸癌手術症例の検討-プロペンシティスコア分析を用いて

演題番号 : O121-1

[筆頭演者]
宮本 裕士:1 
[共同演者]
坂本 快郎:1、辛島 龍一:1、今村 裕:1、石本 崇胤:1、馬場 祥史:1、岩上 志朗:1、吉田 直矢:1、渡邊 雅之:1、馬場 秀夫:1

1:熊本大学大学院 消化器外科学

 

【目的】近年の高齢化社会に伴い、高齢者の大腸癌症例はさらに増加すると考えられる。今回、プロペンシティスコア分析を用いて80歳以上と80歳未満大腸癌症例の腫瘍学的背景因子を調整し、80歳以上高齢者大腸癌手術症例の遠隔成績を明らかにすることを目的とした。【方法】2005年4月から2012年3月までに当科で手術を施行したStageI-IIIの初発大腸癌症例314例を対象とした。80歳以上の高齢者群(51例, 16.2%)と80歳未満の対照群(263例)に群分けし、臨床的特徴をレトロスペクティブに解析した。また、性別、腫瘍局在、腫瘍サイズ、組織型、深達度(T1-T4)、リンパ節転移(N0-N2) 、術前CEA値を共変量とし、ロジスティック回帰法にてプロペンシティスコアを算出し、両群(高齢者群45例vs.対象群45例)でマッチング後に遠隔成績の比較を行った。【結果】平均年齢は高齢者群が84歳で対照群が65歳であった。受診の契機は早急な外科的処置が必要なイレウス症例が高齢者群で有意に多かった(p=0.001)。また、高齢者群では原発巣の部位が右側結腸である割合が有意差に高かった(p<0.0001)。術前併存疾患に関しては、高齢者群で併存率が有意に高く(p=0.04)、特に心血管系疾患と癌既往歴を有する率が高かった。リンパ節郭清程度に関しては両群間に違いは認めなかった。術後合併症は高齢者群でせん妄が有意に高率である以外は両群間に差は認めなかった。プロペンシティスコアマッチング後に両群間でKaplan-Meier法による生存分析を行った所、全生存期間では高齢者群が対照群と比較して有意に予後不良であった(3yrOS:65.2% vs. 79.7%, log rank p=0.035)が、無再発生存期間では両群間に差は認めなかった(log rank p=0.83)。【考察】高齢者大腸癌はリスクの高い状態での手術が必要な場合も多いが、術前全身状態を把握し、十分な周術期管理を行えば非高齢者群と同等の手術成績が期待できる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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