演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

BCG抵抗性筋層非浸潤性膀胱腫瘍に対するゲムシタビン膀胱内注入療法の臨床的検討

演題番号 : O12-2

[筆頭演者]
辻田 裕二郎:1 
[共同演者]
堀口 明男:1、黒田 健司:1、佐藤 全伯:1、朝隈 純一:1、瀬口 健至:1、伊藤 敬一:1、木村 文宏:2、早川 正道:1、浅野 友彦:1

1:防衛医科大学校 、2:独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院

 

BCG膀胱内注入療法は上皮内癌(CIS)を含む筋層非浸潤性膀胱腫瘍の治療、再発予防に最も有効な治療法であるが、約30%は治療に反応しない。反応しても30-40%は、いずれ治療抵抗性を示す。BCG抵抗性筋層非浸潤性膀胱腫瘍に対するゲムシタビン膀胱内注入療法の再発予防効果、治療効果について検討した。(対象と方法)2007年7月から2013年3月の期間に、当院で加療したBCG療法抵抗性筋層非浸潤性膀胱腫瘍21例、副作用によりBCG注入療法が完遂できなかった8例を対象とした(平均年齢76.7歳、男性24例、女性5例)。治療目的群(経尿道的手術でコントロール不能な多発腫瘍例、もしくはCIS症例)が22例(BCG療法歴あり17例、なし5例)、再発予防目的群(術後再発予防を目的とした症例)は7例(BCG療法歴あり4例、なし3例)であった。治療目的群のうち膀胱全摘術を希望しなかった例が3例、全身状態や年齢によって不可能であった例が3例であった。方法はゲムシタビン2000mgを生理食塩水50mlで溶解し、週1回6週間膀胱内に注入した。3回目の注入終了1時間後に血算、生化学検査、ゲムシタビン血中濃度を測定した。注入終了後、1〜3ヶ月おきに尿細胞診と膀胱鏡を行い、尿細胞診陽性もしくは膀胱鏡所見での腫瘍の確認をもって再発と定義した。なお、本研究は防衛医科大学校倫理委員会の承認を得て行った。(結果)治療目的群は22例中9例で尿細胞診が陰性化した。9例の平均無再発期間は10.8ヶ月(2~55ヶ月)であった。再発予防目的群は7例中全例に再発を認め、平均無再発期間は5.43ヶ月(2~16ヶ月)であった。再発後、4例に膀胱全摘を施行し、3例は他の薬剤(BCG、マイトマイシン)に切り替えた。副作用はgrade2の骨髄抑制を3例(10.3%)、grade2の膀胱刺激症状を1例(3.4%)に認めた。膀胱内注入後のゲムシタビンの平均血中濃度は0.88µM(0.1µM~4.1µM)であった。(結論)依然としてBCG抵抗性筋層非浸潤性膀胱腫瘍に対する治療の第一選択は根治的膀胱全摘術であるが、ゲムシタビン膀胱内注入療法は手術リスクの高い例や根治的膀胱全摘術を希望しない患者に対する一つの治療オプションとなり得る。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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