演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌・乳癌の手術時間に対する病院規模・初期研修医数の影響

演題番号 : O119-1

[筆頭演者]
臼杵 尚志:1,2 
[共同演者]
赤本 伸太郎:2、藤原 理朗:2、岡野 圭一:2、鈴木 康之:2

1:全国国立大学手術部会議幹事会WG3、2:香川大消化器外科

 

「癌治療の均霑化」はしばしば論じられるテーマであるが、国内の種々の施設において胃癌・乳癌に対する手術の現状について、全国国立大学手術部会議において集計したデータを元に考察した。対象は、全国の基幹病院194施設(病床数533∓217)であり、予め指定した2012年6月の2週間に、合計347例の乳腺手術(乳腺部分切除+リンパ節郭清(K4764))と376例の胃癌手術(胃悪性腫瘍手術(K6552))が行われていた。両術式の執刀時間と準備時間(総麻酔時間から執刀時間を減算したもの)について、院内の初期研修医の人数(20未満と以上で2分類)と病院規模(399以下、400~599、600~699、700床以上の4分類)との関係を検討した。【乳腺】執刀時間は研修医の多い施設で128.6∓59.3分、少ない施設で113.8∓49.8分と有意差を認め(p=0.012)、病院規模を400~599床と揃えた検討でも、多い施設152.9∓52.2分、少ない施設で109.9∓50.6分と差を認めた(p<0.001)。病院規模との相関は認めなかった。手術準備の時間は病床数を揃えた検討で、(400~599床施設の場合)研修医の多い施設で60.1∓22.5分、少ない施設で52.5∓15.6分(p=0.044)、(600~699床施設の場合)同様に54.8∓22.3分、42.2∓11.4分(p=0.016)と差を認めた。【胃癌】執刀時間は研修医の多い施設で283.7∓99.7分、少ない施設で258.7∓96.6分と有意差を認め(p=0.020)たが、病院規模を揃えた検討では差を認めなかった。病院規模との関係では600~699床施設で295.2∓101.9分と399床以下施設の252.6∓106.0分、400~599床施設の260.6∓93.0分より有意に長時間であった(各p=0.017、p=0.001)。手術準備の時間は、研修医の多い施設で69.1∓21.6分、少ない施設で59.8∓22.1分と差を認め(p<0.001)、病院規模を400~599床と揃えた検討でも、多い施設72.8∓23.7分、少ない施設57.5∓18.2分と差を認めた(p=0.002)。病院規模との比較では399床以下施設59.6∓24.0分、400~599床施設59.6∓19.7分、600~699床施設70.1∓25.5分、67.2∓20.6分と差を認めた。癌の手術として代表的な両術式において、病院規模、初期研修医数が手術の総時間に与える影響が明らかとなった。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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