演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

HER2陽性進行乳癌でのラパチニブ併用時のカペシタビン用量の臨床的有用性の後方的検討

演題番号 : O118-4

[筆頭演者]
荒木 和浩:1 
[共同演者]
高橋 俊二:2、岩瀬 拓士:3、伊藤 良則:1

1:公益財団法人がん研究会がん研有明病院 乳腺センター乳腺内科、2:公益財団法人がん研究会がん研有明病院 総合腫瘍科、3:公益財団法人がん研究会がん研有明病院 乳腺センター乳腺外科

 

【背景】目的はHER2陽性進行乳癌に対するラパチニブ (LAP) 併用時におけるカペシタビン(CAP) 用量の有用性を臨床的に検討することである。LAPCAP併用療法はHER2陽性進行乳癌の標準治療だが、実臨床では有害事象によるCAPの休薬・減量を余儀なくされることが多い。【方法】当施設のLAPCAP治療の76例を対象に、無増悪期間 (PFS) を効果の指標として、CAPのrelative dose intensity (RDI) に着目し、それが本治療法における効果予測因子となりうるかを後方的に検証した。【結果】追跡期間は1年で、LAPCAP併用療法の開始時における年齢中央値は56 (36-75) 歳であった。41例に術前もしくは術後の補助化学療法が行われ、その内の18例にトラスツズマブ (Tmab) が投与されていた。転移再発臓器数の中央値は2 (1-4) で、骨/リンパ節/肺/脳/胸壁が各々37/36/30/23/17/16例であった。LAPCAP併用療法前の治療歴中央値は2 (0-8) レジメンで、66例にTmab治療歴があり、その併用薬としてはタキサン40例、ビノレルビン36例、CAP29例、アロマターゼ阻害剤12例、タモキシフェン7例であり、Tmab単独は24例だった。LAPCAP併用療法のPFS中央値は262日で、抗腫瘍効果はCR/PR/SDがそれぞれ2/14/40例であった。6ヶ月以上に渡ってSD以上を継続した症例の臨床的有用率は60%で、90%以上の症例には何らかの有害事象が認められていた。最も頻度の高かった手足症候群 (HFS) は55例に認められており、HFSを来した症例とそれ以外に二分してPFSを解析すると統計学的有意差を持って前者が良好であった(p=0.000023)。そのためCAPの用量がPFSと相関するのかを改めて検討した。CAPのRDIは82 (7-100) %で、それを90、80、75、そして60%のそれぞれの相対的用量に分けて解析したが、いずれもPFSとの相関は認められず、CAPの累積投与量も追加して検討した。その中央値は35,700 (21,600-885,600) mg/m2であり、これで二分した絶対用量とのPFSの相関を検討したが、それも統計学的有意差を示すことができなかった。【結論】LAPCAP併用療法においては、CAPの用量によらずHFSが臨床的効果予測因子となる可能性が示唆された。この治療法においては有害事象の管理も含めたCAPの用量と投与スケジュールを再考するだけでなく、HER2陽性乳癌に対するLAP療法のコンパニオン診断法の確立が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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