演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌術前化学療法におけるpCRの予後因子としての意義

演題番号 : O118-1

[筆頭演者]
川尻 成美:1 
[共同演者]
高島 勉:1、石原 沙江:1、浅野 有香:1、呉 幸枝:1、渡邉 真央:1、森崎 珠実:1、青松 直撥:1、柏木 伸一郎:1、野田 諭:1、小野田 尚佳:1、仲田 文造:1、石川 哲郎:1、平川 弘聖:1

1:大阪市立大院 腫瘍外科

 

(目的)乳癌術前化学療法(NAC)において、pCR はOSやDFSのサロゲートマーカーとして広く用いられている。しかし近年、サブタイプによりpCR症例の予後が異なるとの報告があり、どのような症例でpCRをサロゲートマーカーとして扱えるか検討する必要がある。当科でのNACはFEC100 followed by paclitaxelを採用している。HER2陽性症例では、paclitaxel にtrastuzumabを併用させている。pCRを「乳房およびリンパ節の癌細胞がすべて消失した場合か、乳管内病巣のみが残存した場合」と定義し、単一レジメでのpCR症例の予後をレトロスペクティブに検討した。(対象と方法)2005年7月-2010年3月に、当科でNACを施行したstage2A-3A の乳癌90例。術後追跡期間の中央値は51カ月(34-82カ月)。pCRがOSおよびDFSに及ぼす影響をLog Rank検定にて解析した。(結果)pCR群で1例、non-pCR群で9例の死亡があり、pCR群で有意にOSが良好であった(p=0.044)。Luminal typeで3例、Triple negativeで6例、HER2 typeで1例の死亡があり、Triple negativeは有意に予後不良あった(p=0.016)。また、Triple negative群のみがpCRにより有意に生存期間が延長した(p=0.022)。pCR群で6例、non-pCR群で14例に再発が確認できたが、両群に有意差は認めなかった (p=0.31)。Luminal typeで8例、Triple negativeで8例、HER2 typeで4例に無病生存が確認され、Luminal typeの再発イベントが少ない傾向であった(p=0.279)。また、Triple negative群のみがpCRにより有意に無再発生存期間が延長した(p=0.048)。HER2 typeでは、pCR後の再発を3例認めたが、いずれも脳転移単独であった。(考察)NACの予後因子として、Triple negativeではpCRは有用と言えるが、他のサブタイプでは有用性を示せなかった。HER2 typeでは脳転移が多くDFSは不良であるが、OSは良好であったためevent数が少なく、pCRの予後因子としての有用性を証明できなかった。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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