演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌の術後アナストロゾール治療の完遂と関節痛の有無が予後に及ぼす影響について

演題番号 : O117-5

[筆頭演者]
蒔田 益次郎:1 
[共同演者]
森園 英智:1、坂井 威彦:1、荻谷 朗子:1、木村 聖美:1、飯島 耕太郎:1、宮城 由美:1、高橋 俊二:2、伊藤 良則:2、小口 正彦:3、松浦 正明:4、岩瀬 拓士:1

1:がん研有明病院 乳腺センター 乳腺外科、2:がん研有明病院 乳腺センター 乳腺内科、3:がん研有明病院 乳腺センター 放射線治療部、4:がん研究会がん研究所 がんゲノム研究部

 

ホルモン感受性乳癌の再発リスクは術後3~4年以降も継続することから術後補助内分泌療法は長く行うことが成績向上につながるとされ、服薬アドヒアランスが重要となる。また、アロマターゼ阻害剤投与中の関節痛は治療の完遂に影響する因子である一方、予後を良好にすると報告されている。そこでアナストロゾール治療の完遂と関節痛の発現に関連して予後を検討した。[対象および方法]1998年〜2003年に当院で手術を行った原発性乳癌のうち術後補助療法として3か月以上アナストロゾール(1mg/日、ANA)を内服した297症例について内服状況、関節痛の発現と予後をレトロスペクティブに調査した。ANA服用期間中央値 4.9年(最低4か月、最長9.7年)であった。服用年数4年半を治療の完遂と定義し関節痛と完遂の有無で4群に分けて投与開始後無再発生存率について比較した。[結果] 関節痛なし完遂あり152例、関節痛あり完遂あり65例、関節痛あり完遂なし23例、関節痛なし完遂なし57例であった。治療の完遂は217例(73.1%)で達成された。完遂できなかった理由は関節痛10、関節痛以外の有害事象22、再発18、理由不明が30であった。関節痛は88例(29.6%)に発現し発現までの年数の中央値は1.9年(完遂あり2.3年完遂なし1.2年)で完遂なしの症例の関節痛は早期に発現していた。また、関節痛発現後の治療期間は中央値2.6年(完遂あり3.1年完遂なし0.2年)であった。症例分布では関節痛のある症例にPgR陽性例が多かったが手術時年齢、腫瘍径、リンパ節転移の有無、脈管侵襲、化学療法、肥満の有無などに差は見られなかった。経過観察期間中央値8.3年で投薬中に22例、投与終了後に5例が再発し5例が死亡した。5年および8年無再発生存率は関節痛なし完遂あり100%・96%、関節痛あり完遂あり95%・95%、関節痛あり完遂なし82%・82%、関節痛なし完遂なし68%・63%で完遂した症例の予後は完遂していない症例よりも良かった。予後因子について検討すると単変量では腫瘍径、リンパ節転移、波及度、脈管侵襲、化学療法、関節痛と完遂の有無が有意で、多変量解析ではリンパ節転移、脈管侵襲、関節痛と完遂の有無が有意な因子であった。 [結語]術後補助ホルモン療法の投与期間は予後に影響を与えることが示唆されるので3割の症例で発現する関節痛などの副作用対策と服薬アドヒアランスは重要と思われた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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