演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

閉経後非浸潤性乳管癌に対するレトロゾール術前内分泌療法の検討

演題番号 : O117-3

[筆頭演者]
江幡 明子:1 
[共同演者]
石田 孝宣:1、高木 清司:2、三木 康宏:3、平川 久:4、角川 陽一郎:5、天野 吾郎:6、森 奈緒子:7、中村 保宏:3、渡辺 みか:8、甘利 正和:1、笹野 公伸:3,8、鈴木 貴:2、大内 憲明:1

1:東北大院医 腫瘍外科、2:東北大院医 病理検査学、3:東北大院医 病理診断学、4:東北公済病 外科、5:宮城県立がんセ 乳腺科、6:日本海総合病 乳腺外科、7:東北大病 放射線診断科、8:東北大病 病理部

 

【背景】浸潤性乳管癌(IDC)に対する術前アロマターゼ阻害薬は乳房温存率を改善するという報告もあり、有効性は知られるようになってきた。しかし、非浸潤性乳管癌(DCIS)に対するアロマターゼ阻害薬の有効性は、いまだ解明されていない。【目的】ホルモン感受性閉経後DCISに対するレトロゾールの効果を臨床病理学的に検討することを目的とした。【対象と方法】同意が得られた閉経後ホルモン感受性DCIS患者10例に、術前にレトロゾールを投与し(3-27週)、超音波による腫瘍径の変化、腫瘍内の性ホルモン濃度、マイクロアレイによるエストロゲン誘導遺伝子群の発現、および免疫染色によるエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、HER2、Ki67標識率(LI)、アロマターゼ発現について、内服前後で比較検討した。【結果】内服前後で超音波による最大腫瘍径の変化に有意差は得られなかった。しかし、内服期間の中央値で短期群(3-14週)、長期群(14-27週)に分けた場合、長期群で最大腫瘍径の変化に有意差が見られた。内服後はその内服期間にかかわらず、ER陽性率やアロマターゼ陽性率には変化がない一方、PR、Ki67 LIは有意に低下し、腫瘍内エストロゲン濃度はほぼゼロとなっていた。内服後は、エストロゲン誘導遺伝子の発現は全体的に発現レベルが低下していた。また、内服前アロマターゼ陽性例では、陰性例と比較し内服後Ki67LIは有意に低値であった。【考察】レトロゾール投与によってDCIS内のエストロゲン濃度はすみやかに低値となり、エストロゲン誘導遺伝子の発現、およびKi67LIは有意に低下すると考えられた。特にアロマターゼ陽性例でKi67LIの減少が顕著であったことから、アロマターゼの免疫活性の程度が治療効果の予測因子となりうる可能性があると考えられた。また、レトロゾールの効果が超音波によって確認できるようになるには、14週程度は必要である可能性があると思われた。(UMIN Clinical Trials Registry number UMIN000003101)

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

前へ戻る