演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

個別化治療を見据えたAI耐性のメカニズムの検討

演題番号 : O117-2

[筆頭演者]
三浦 大周:1,2 
[共同演者]
門脇 正美:1、田村 宜子:1、岩谷 胤生:1、川端 英孝:1、木脇 圭一:3、藤井 丈士:4

1:虎の門病院 乳腺・内分泌外科、2:冲中記念成人病研究所、3:癌研究会有明病院 病理部、4:虎の門病院 病理部

 

背景:術前内分泌療法におけるKi67変化の結果からは約20%は抵抗性を有し、予後をより反映するのは投与後のKi67値と報告されている.恐らくKi67増加例も治療後Ki67高値例も内分泌抵抗性を有しているのであろうがその違い含め不明な点が多い.目的:短期間のAI投与によるbiomarkerの変化を求め、Ki67の変化をもとに薬剤による違いおよび抵抗性メカニズムを検討するとともに個別化治療を見据えたAI抵抗性のbiomarkerを探索した.対象と方法:閉経後ER陽性HER2陰性症例に対しpilot studyとしてそれぞれ29例ずつにletrozole (LET)もしくはexemestane (EXE)を術前内分泌療法として短期間投与し、QuantiGene Assayにより治療前後のmRNAの変化を解析した.AI投与後にKi67が増加したものを増加群、投与後Ki67高値例のうち増加群を除いたもの(IHC約12%以上)を高値群とした.結果:LET, EXEとも服用期間中央値22日、約9割はER8 (Allred)であり背景に差はなかった. Ki67はいずれの薬剤でも有意に低下したが両者の差はなく、増加群、高値群はいずれもそれぞれ3例ずつ認めた(計20%).増加群において薬剤の違いを認めないものの変化として全例(LET 3例, EXE 3例)にERα↓, ERβ↑, MAPK↑, PIK3CA↑, ALDH1↑, AXL↑, NFkB↑, RANKL↑を、5例にPR↓, HER2↑, TGFβ↑を認めた.一方高値群の変化は多彩であり一定の傾向は認めないもののEXEはよりHER2シグナルを増強、LETは低下させる傾向があった.Ki67増加の予測因子にはHER2低値, PIK3CA低値, PTEN低値, NFkB低値が、Ki67高値の予測因子にはMAPK高値が挙げられた.結語:ER陽性HER2陰性の約20%はAI抵抗性を有し、Ki67増加例(10%)ではHER2を始めとする様々なシグナル活性増強によりde novo耐性を獲得しこれはclass effectであった.興味深いことに当初PI3K経路を介したHER2シグナルの低活性があるもののE2の枯渇によりシグナルを増強させ耐性を獲得すると推察された.一方Ki高値例(10%)は当初からMAPK経路の高活性を有しており、この耐性はnon-class effectと考えられた.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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