演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移乳癌においてethinylestradiol療法に耐性となった後の内分泌療法再投与の有用性

演題番号 : O117-1

[筆頭演者]
岩瀬 弘敬:1 
[共同演者]
山本 豊:1、山本ー指宿 睦子:1、村上 敬一:1、稲尾 瞳子:1、奥村 恭博:1、大本 陽子:1

1:熊本大院 乳腺内分泌外

 

【背景】アロマターゼ阻害薬(AI)は閉経後ホルモン依存性乳癌で汎用される内分泌療法であるが、長期間のAIによるエストロゲン枯渇療法を繰り返した後には、エストロゲン療法が有用である場合がある。さらに、そのエストロゲン療法は、引き続く抗エストロゲン療法の効果を増強している可能性がある。
【方法】エチニルエストラジオール3mg (EE2; ethinylestradiol, Prosexol®)療法により、SD以上の病勢コントロールを得た症例を対象に、引き続く内分泌療法の再投与の効果を検証した。主要評価項目はclinical benefit rate (CBR)、副次評価項目はresponse rate (RR)、time to treatment failure (TTF)とした。(UMIN000002831, 追加解析)
【結果】EE2療法は原発巣もしくは再発巣でER陽性HER陰性で長期間の内分泌療法歴 (化学療法も含む) を有する閉経後乳癌22例(中央値62歳)に行われ、観察期間13.6カ月で、奏効率 41% (CR なし, PR 9例)、CBR 50% (long SD 2例)、PD 14% (3例)であり、AEのための脱落は18% (4例)であった。効果持続期間は中央値46週 (23-62+)であり2例が継続中である。SD以上の効果が認められた後に病状が進行した13例に対して、引き続いてフルベストラント (Ful)が6例に、AIが7例に行われ、CBRはFul群で50% (3/6)、AI群で43% (3/7)であり、TTF中央値はそれぞれ19週 (5-55+)、15週 (5-33+)であった。このうち再々増悪をきたした例に対してさらにEE2療法を施行し、2例にlong SDが認められた。
【考案】転移乳癌の内分泌療法においてAIによるエストロゲン枯渇療法後のEE2療法は優れた成績であり、さらに引き続いた抗エストロゲン療法が再び効果を示す例が認められた。その背景には、エストロゲンに誘導される細胞死、内分泌環境の変化による薬物の効果増強作用が考えられる。我々は今回の結果から、エストロゲン療法で病状コントロール可能となった後に再増悪した例を対象に、FulとAIを比較する臨床試験を開始している。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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