演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移性乳癌に対するるフルベストラントの有用性につての検討

演題番号 : O116-5

[筆頭演者]
李 哲柱:1 
[共同演者]
小谷 達也:1、張 弘富:1、本田 晶子:1

1:京都第一赤十字病院 乳腺外科

 

【背景】新規内分泌療法薬フルベストラントの作用機序は、ERとエストロゲンの結合を阻害するのみでなく癌増殖にかかわるERそのものを減少させるため内分泌療法耐性の原因となる増殖因子からのシグナル伝達をも抑制するとされている。海外第II相臨床試験においてフルベストラントはアナストロゾールより無増悪期間を有意に延長すると報告され、日本人を対象とした第II相臨床試験(N=47)でもPFS:6.0ヶ月、RR:10.6%、CBR:46.8%と海外とほぼ同等の成績が得られた。そのため本邦でも2011年11月より臨床使用が可能となり実臨床における評価が待たれるところである。【目的】当院で2011年12月より2013年5月までに32例の転移性乳癌患者に対し二次以降の内分泌療法としてフルベストラントを使用した。今回その有用性について臨床効果を転移臓器別・前治療レジメン数別などに、また副作用について検討したので報告する。【対象】2011年12月より2013年5月までに当院でフルベストラントを使用した32例の内、評価可能であった21例。【方法】フルベストラントを臀部に500mg筋肉内注射、初回投与、2週間後、4週後、その後4週間毎に1回投与した。【結果】平均年齢は69.2歳(50-89)、転移臓器の内訳は21例の内、骨:14例、肺:5例、肝:5例、リンパ節:5例、皮膚・軟部組織:5例、副腎:1例、胸膜:2例、後腹膜・腹腔内:1例であった(重複含む)。再発治療における内分泌療法の前治療レジメン数の中央値は2.35(2-6)。投与期間の中央値は263.8日。治療成績はPR:1例(4.7%)、longSD:11例(52.4%)、SD:10例(47%)、PD:0例(0%)でありRRは4.7%、CBRは57.1%であった。臓器別のCBRは、骨、肝、肺、リンパ節でそれぞれ69.2%、40%、20%、60%であった。前治療レジメン数別のCBRは2以下、3以上でそれぞれ53.8%、71.4%であった。副作用はgrade1の注射部位反応のみで重篤なものは認められなかった。【考察】今回の検討では、海外第III相臨床試験(CONFIRM、N=362)におけるRR:9.1%、CBR:45.6%と比し奏効率は低いものの臨床的有用性は同等以上であった。CBRは臓器別では骨、リンパ節に高い傾向であり、前治療のレジメン数には差がない傾向であった。【結語】進行再発乳癌においてフルベストラントは一次内分泌療法薬に抵抗性となった症例に対し重篤な副作用もなく臨床的有用性があることが示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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