演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院におけるフルベストラントの使用症例に対する検討

演題番号 : O116-2

[筆頭演者]
中野 正啓:1 
[共同演者]
西村 令喜:1、大佐古 智文:1、西山 康之:1、田嶋 ルミ子:1、藤末 真実子:1、豊住 康夫:2、有馬 信之:2

1:熊本市民病 乳腺外科、2:熊本市民病 病理診断科

 

(背景)フルベストラント(フェソロデックス®)はエストロゲン受容体(ER)のdown regulationによりエストロゲンのシグナル伝達を阻害する新規内分泌療法剤であり、我が国でも2011年11月より閉経後ER陽性進行再発乳癌患者に対しての使用が承認された。当院での使用経験についてretrospectiveに検討した。(対象と方法)2011年11月から2013年3月までに当院でフルベストラント(FUL) (500mg)を投与した進行再発乳癌45例での治療効果について解析した。治療効果判定は画像もしくは一部腫瘍マーカーに基づいて評価した。(結果)投与時の年齢の中央値は63歳 (49-83)。全例がER陽性・PgR陽性・HER2陰性で、Ki-67 LIの中央値は27% (5-77)であった。術前術後補助療法を除いたFUL使用ラインの中央値は4 (0-11)で化学療法を除いた場合の使用ライン中央値も4 (0-6)、投与回数の中央値は現在継続中のものも含めて5回 (4-13)であった。最大治療効果はPRが4例、SDが14例 (そのうち8例が24週以上のlong SD)、PDが20例であり、奏効率は10.5%でClinical Benefit (CB: PR+long SD)を得たのは31.6%であった。無増悪期間 (PFS)中央値は63日、最長で254日であった。治療効果でCBを得られた群と、得られなかった群 (non-CB)を比較すると前治療の平均ライン数は4.58 vs. 4.77で有意差はなかった。その他原発巣のER、PgR、Ki-67発現および腫瘍径にも差はなかったが、初再発までのDFIに113.0か月vs. 56.4か月と有意差 (p<0.01)を認めた。治療対象部位別にみると、軟部組織のみではCB率50%、骨+軟部組織で33.3%、内臓転移があると21.2%であった。また、DFIが2年未満の群と5年以上の群で分けると、2年未満の群では5年以上の群に比べてFULによるCB率が有意に低かった (p=0.03)。PFSは2年未満群で72.4日、5年以上群で104.3日であったが有意差はなかった。(結論)前治療ライン数によるFULの効果に差はなかったが、DFIは治療効果との相関がみられた。今後はFULの最適な治療ライン、他の内分泌療法剤との治療順などの見極めが重要と考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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