演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

フルベストラントを安全に投与するための取り組みと評価

演題番号 : O116-1

[筆頭演者]
角谷 京子:1 
[共同演者]
宮本 康敬:1、渡辺 亨:1

1:圭友会 浜松オンコロジーセンター

 

【背景】フルベストラントの投与に伴う神経・血管損傷を回避するには、中殿筋周囲の神経や血管の走行を把握する必要がある。また、注射部位特定には上前腸骨棘、上後腸骨棘を確認する必要があるが、患者によっては触知しにくい場合もある。さらには、適切な穿刺部位と刺入深度の特定に加え、痛みの訴えを確認しながら投与する必要もある。そこで、当院では全ての患者に対して共通の手技で投与できることを目的に、「フルベストラントを安全に投与するための標準手順書」(以下、手順書)の作成し、その手順書の評価をすることを目的とした。【方法】事前学習では製薬企業による技術研修指導と医師からの助言などを参考にして、穿刺前の体位の工夫、穿刺部位の確認方法、注射針の選択などについて習得した。当院での使用開始後に、投与中の手技とその後の有害事象を医療者間で共有し、他施設の状況も踏まえて手順書を作成・更新した。その手順書に基づき投与を実施し、手技が原因と考えられる有害事象の出現に着目して手順書の内容を評価した。【結果】2011年12月から2013年5月の間で183回 (23例)に投与した。1年で完成した手順書には、看護師2名で穿刺部位の特定、BMI値による注射針の選択、帰宅後のセルフモニタリングすることの指導などの一連を記載した。手順書作成中の1年間で観察された手技が原因と考えられる有害事象は、10回/140回(6.8%)。内訳は、注射部位反応5回(腫脹1回、掻痒2回、硬結2回)、下肢脱力感・ふらつき2回、臀部から下肢にかけてのしびれ1回、電撃痛2回であった。一方、手順書完成後の半年間では、新人看護師による実施も含めて36回中電撃痛1回(2.7%)のみであり、神経損傷などの有害事象の出現は減少し、注射部位反応はなくなった。【考察】医療者間で共通認識を持ち、一定した手技で安全にフルベストラントを投与するためには、手順書の作成は有用である。今回我々が作成した手順書の中にある穿刺部位の特定、注射針の選択、患者への指導については、重要な共通事項であり、他施設との手順書の共通化も今後の課題である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:がん看護

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