演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胸部食道癌における上縦隔リンパ節郭清の至適範囲の検討

演題番号 : O113-3

[筆頭演者]
山崎 誠:1 
[共同演者]
宮田 博志:1、宮崎 安弘:1、高橋 剛:1、黒川 幸典:1、中島 清一:1、瀧口 修司:1、森 正樹:1、土岐 祐一郎:1

1:大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科

 

【はじめに】胸部食道癌手術における上縦隔郭清の徹底は,本邦における食道癌治療成績の向上に大きく寄与してきた.特に反回神経周囲リンパ節(No.106recR, No.106recL)の重要性は広く理解されており,徹底した郭清が推奨されている.一方で,気管前リンパ節(No.106pre)はUtでは3群、Mt,Ltでは4群リンパ節として、また気管気管支リンパ節(No.106tbL)は,Ut,Mtでは2群リンパ節,Ltでは3群リンパ節として扱われているが,同リンパ節の郭清効果に関しては,近年再検証されている報告がない.そこで,今回われわれは,胸部食道癌における上縦隔リンパ節の郭清意義について検討した. 【対象と方法】2005年から2011年までに当院で根治手術を施行した胸部食道癌382例(Ut:64例,Mt:197例,Lt:121例)を対象とし、郭清効果指数(転移症例割合*3年生存率)に術後の再発を加味したmodified郭清効果指数((転移陽性もしくは再発した症例の割合)*3年生存率)を用いて,上縦隔リンパ節郭清の予後に与える影響を検討した.【結果】対象全体の平均年齢は65.5歳,男性が327例,女性が55例であった.術前治療はなし/化学療法/化学放射線療法=81/241/60例.pStage(UICC 7th)は0/I/II/III/IV=19/78/103/126/56例であった。治療成績:部位ごとに上縦隔リンパ節の転移率と再発率を検討した。転移率はUt:106recR/recL/pre/tbL = 17.2/15.6/3.1/4.7%、Mt: 20.3/14.2/5.1/4.1%、Lt:9.1/9.1/1.7/0%であった。再発(初発)率はUt:106recR/recL/pre/tbL = 3.1/1.5/4.7/0%、Mt:3.0/0.5/4.0/1.5%、Lt:0.8/0.8/4.9/0%であった。局在別の上縦隔リンパ節の郭清効果指数を検討したところ、UtではNo. 106rec/106pre/106tbL = 8.9/3.9/3.1、MtではNo. 106rec/106pre/106tbL = 8.9/3.3/0.9、LtではNo.106rec/106pre/106tbL = 2.0/0/0であった。【まとめ】今回の検討では、Mt症例でのNo.106pre郭清による予後改善が見込めることが示唆された。一方、Mt,Lt症例でのNo.106tbL郭清は予後改善に寄与しないとの結果であった。今後さらに症例を蓄積して解析を行い,より適切な症例の絞り込みとより詳細な郭清範囲の決定が重要であると考えられた.

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

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