演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌に対する鏡視下経裂孔的アプローチを用いた食道切除術-135例の治療経験から

演題番号 : O113-1

[筆頭演者]
塩崎 敦:1 
[共同演者]
藤原 斉:1、小西 博貴:1、森村 玲:1、村山 康利:1、小松 周平:1、栗生 宜明:1、生駒 久視:1、窪田 健:1、中西 正芳:1、市川 大輔:1、岡本 和真:1、阪倉 長平:1、大辻 英吾:1

1:京都府立医科大学 外科学教室消化器外科学部門

 

【諸言】我々は2009年より,HALS+気縦隔法による経裂孔的縦隔操作を先行させた食道切除術を導入し,現在までに135例の治療経験を持つ.これまで,1)No.112郭清の定型化,2)上縦隔剥離操作の定型化に伴う再建先行術式の導入,3)No.107,109RL郭清の定型化と,症例を重ねるごとに手術手技を発展させてきた.また,高齢者や術前呼吸機能障害等のハイリスク症例には,本法を用いた非開胸食道切除術も可能となった.今回,我々が定型化した鏡視下経裂孔的手技を供覧する.また,鏡視下経裂孔的にNo.107,109RL郭清を施行した症例を中心に,治療成績を報告する.【手術】開脚位,上腹部にLap Disc,ポートを留置.大網・胃脾間膜切離後,食道裂孔を切開し,縦隔へ送気.心嚢後面の脂肪識を食道腹側につけるように剥離を進め,No.107の腹側を十分に剥離.同層の剥離を左右に延長し,No.109RLの腹側を十分に剥離.食道左側でNo.112を背側へ剥離後,横隔膜直上で大動脈外膜を露出し頭側へ剥離.No. 112を膜状に挙上し,左縦隔胸膜との境界を切離し,109L郭清へと連続させる.右縦隔胸膜を奇静脈弓レベルまで切開後膜状に挙上しNo.107,109Rを郭清.奇静脈弓,右気管支動脈,胸管の走行を確認し,食道沿いに上縦隔・頸部レベルまで剥離を進める.頸部操作に移り食道を尾側に剥離し,腹腔側からの剥離層に連続させる.頸部食道を切離後,腹腔側より摘出し,胸骨後経路胃管再建施行(非開胸症例はここで終了).縦隔アプローチでは困難な106recL下極・106tbL郭清は,左側臥位とし5ポート挿入下に施行.【結果】鏡視下経裂孔的に107,109RL郭清を施行した26例を解析.うち11例でVATS下に106recL下極、106tbLを中心とした上縦隔郭清を追加し,15例は非開胸で終了した.26例の総送気時間(気腹+気縦隔)は,108.3±25.8分.総手術時間は,VATS追加症例:400.6±58.1分,非開胸症例:215.9±30.4分,総出血量はVATS追加症例:241.2±167.0 ml,非開胸症例:143.6±102.2 ml. 107+109RL郭清リンパ節個数は6.5±4.1個であり,26例中23例は術当日手術室にて抜管され,術後在院日数は31.3±14.0日であった.【結語】本法により,安全で精度の高い中下縦隔郭清が可能となる.また,胸腔鏡下での胸部操作が簡略化できるとともに,ハイリスク症例に対する非開胸食道切除術も安全に施行可能となる.

キーワード

臓器別:食道

手法別:内視鏡手術

前へ戻る