演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌に対するCDDP併用化学療法時の低Na血症発症リスク因子の解析

演題番号 : O112-6

[筆頭演者]
竹野 淳:1 
[共同演者]
田村 茂行:1、下川 福子:2、谷口 博一:1、桂 宣輝:1、賀川 義規:1、沖代 格次:1、向坂 英樹:1、中平 伸:1、柄川 千代美:1、武田 裕:1、加藤 健志:1

1:関西労災病院 外科、2:関西労災病院 薬剤部

 

はじめに)食道癌に対する化学療法では5-FUとCDDP併用療法が標準的であるが、腎毒性など重篤な有害事象が発生することが知られている。なかでも、CDDPの尿細管障害に起因すると考えられる低Na血症は日常臨床で発症するが、その頻度やリスク因子についての報告はほとんど無い。われわれの施設での食道癌に対するCDDP併用化学療法時の低Na血症発症の頻度とそのリスク因子について後方視的に検討した。対象)2010年7月から2012年12月まで当院でCDDP併用化学療法を受けた食道癌患者53名。使用レジメはFP療法(5FU 700mg/m² Day1-5, CDDP 70mg/m² Day1)、FAP療法(5FU 700mg/m²Day1-5, CDDP 70mg/m² Day1, ADR 30 mg/m² Day1)、DCF療法(5FU 700mg/m² Day1-5, CDDP 70mg/m² Day1, DTX 70mg/m² Day1)であった。結果)130mmol/L以下の低Na血症は14例(26%)、全148コース中19コース(13%)で発症した。120 mmol/L以下のG4は2例に発症した。13例が1コース目で発症し、化学療法開始後3-5日目に5例、6-9日目に6例、10-14日目に3例が発症した。低Na発症群と非発症群の各因子比較においては、年齢、性別、cT因子、cN因子、化学療法の目的、RTの併用、PS、BMI、TPN併用の有無、経管栄養併用の有無、経口摂取状況、CDDP投与量、CDDP減量の有無、コース数、血清Cr値、予測CCr値、ALB値、CRP値、G3以上の骨髄抑制の発症、G2以上の腎障害、臨床効果に有意な差は認めなかった。一方で、cM、cStage、使用レジメ、血清Na値には有意差を認めた。さらに、これらの因子を投入した多変量解析ではDCFレジメ、治療開始時血清Na値が独立して寄与する危険因子として明らかになった。結語)食道癌に対するCDDP併用化学療法時の低Na血症は26%で発症し、うち2例はG4の重篤なものであった。発症リスク解析ではDCFレジメ、治療開始時血清Na値が独立して寄与する危険因子であることがわかった。現在は、維持液から細胞外液を用いた輸液に変更し低Na血症発症に対する対策を行っている。

キーワード

臓器別:食道

手法別:化学療法

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