演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

下咽頭表在癌におけるEMT誘導因子HOXB9の免疫組織学的発現の検討

演題番号 : O110-4

[筆頭演者]
筒井 麻衣:1 
[共同演者]
川久保 博文:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、才川 義朗:1、大森 泰:1、杉浦 仁:2、竹内 裕也:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大医学部 外科学教室(一般・消化器)、2:川崎市立川崎病院 検査科 病理

 

【はじめに】咽頭喉頭癌は早期にリンパ節転移をきたしやすく、進行癌で発見されることが少なくない。一方で内視鏡診断の発達により、早期発見され、低侵襲に根治可能な症例が増加している。リンパ節転移や遠隔転移を予測する客観的バイオマーカーが発見されれば、内視鏡治療をはじめとする低侵襲治療から、化学放射線療法、外科的手術を含む集学的治療まで、個々の患者に至適な治療が可能となり、予後やQOLの改善につながる。下咽頭表在癌については、これまでに約400症例に内視鏡治療を施行し、良好な成績をおさめている。今回、下咽頭表在癌症例におけるEMT誘導因子HOXB9の免疫組織学的発現を検討し、リンパ節転移予測マーカーとなり得る可能性を検討した。【対象と方法】2000年1月~2011年4月に内視鏡治療で切除した下咽頭表在癌症例43症例、60検体を対象とした。内視鏡治療の適応は深達度EP、SEPの症例で、CT、エコーでリンパ節転移を認めないcN0の症例とした。これらについて、腫瘍の最深部を含む切片についてHOXB9の免疫染色をし、医師2名で陰性、陽性、不適切検体の判定を行い、脈管浸潤(リンパ管浸潤、静脈浸潤)の有無、深達度(EP、SEP)の関連、予後について検討した。【結果】検討可能であった36検体の内訳は男性35例、女性1例、平均年齢65.0歳であった。深達度についてはEPが19例、SEPが17例であった。深達度EP症例では全例で脈管浸潤は陰性であり、SEPの症例で6例(35.3%)に脈管浸潤を認めた。HOXB9陽性は23例、陰性は13例であったが、 脈管浸潤を認めた6例はいずれもHOXB9陽性であった。一方、脈管浸潤を認めなかった検体中、HOXB9陽性は13例、陰性は17例となった。HOXB9陽性症例は脈管浸潤を認める傾向にあった(P=0.07)が、HOXB9陽性と深達度に関して相関は認められなかった。HOXB9陽性例のうち、4例(17.4%)にリンパ節転移を認め、HOXB9陰性例では1例(7.7%)にリンパ節転移を認めた。【考察】今回の検討では、HOXB9陽性と脈管浸潤の有無には関連が認められた。HOXB9陽性とリンパ節転移再発と関連している可能性については検討の余地があり、進行癌でのリンパ節転移とHOXB9の関連についてのデータと共に報告する。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:バイオマーカー

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