演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部癌放射線治療に伴う甲状腺機能低下に関する検討

演題番号 : O110-2

[筆頭演者]
冨士原 将之:1 
[共同演者]
上紺屋 憲彦:1、小田原 聡一:1、土井 啓至:1、高田 康弘:1、寺田 友紀:2、宇和 伸浩:2、佐川 公介:2、廣田 省三:1

1:兵庫医科大学 放射線医学講座、2:兵庫医科大学 耳鼻咽喉科学講座

 

【目的】頭頸部癌に対する放射線治療後の晩期有害事象として甲状腺機能低下が出現することがある。今回、頭頸部癌に対する放射線治療を行なった患者を対象とし、甲状腺機能障害の頻度、線量や併用療法との関連を後ろ向きに検討を行なった。【方法】2007年4月から2010年12月に兵庫医科大学病院放射線治療科にて放射線治療を行い、治療前と治療後の甲状腺機能が評価できた頭頸部癌112例を対象とした。疾患は、喉頭癌54例、上咽頭癌8例、中咽頭癌18例、下咽頭癌24例。放射線治療は1回2Gyの通常分割照射で60-66Gy。照射野は、喉頭に限局したものが47例、全頚部照射または上中頚部の予防照射を含んだ拡大局所照射を行なったものが65例であった。併用療法として、化学療法を行なったものが70例であった。放射線治療前および治療後に甲状腺機能としてfreeT3、freeT4、TSHを経時的に評価。また、3次元治療計画装置おいて甲状腺のDVHを評価した。また、性別、合併症の有無、全頚部照射か否か、併用治療の有無、治療前の甲状腺体積について、甲状腺機能低下の発生要因となりうるか検討を行った。甲状腺機能低下は、TSHが当院での検査基準の上限(5μIU/ml)を超えた場合と定義した。【結果】治療前に甲状腺機能低下がみられたものが11例(9.8%)。これらを除く101例中39例(38.6%)に治療後甲状腺機能低下を認め、このうち、19例(18.8%)にホルモン補充療法を行った。放射線治療終了から甲状腺機能低下出現までの期間は2~52か月(中央値23か月)であった。甲状腺機能低下をきたした群で甲状腺の平均線量が有意に高く、甲状腺の平均線量が40Gyを超えると有意に発生率が高くなった。また、多変量解析において、甲状腺体積と全頚部照射が甲状腺機能低下出現の要因となりうることが示唆された。【結語】頭頚部癌に対する放射線治療に伴う晩期有害事象の一つである甲状腺機能障害について検討を行なった。放射線治療計画において甲状腺の線量を評価し、経過観察においては甲状腺機能を定期的に調査する必要がある。特に甲状腺の平均線量が高い症例においては厳重な経過観察を行い、適切な処置を行う必要があると考える。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:放射線治療

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