演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

遺伝性甲状腺髄様癌の検討

演題番号 : O110-1

[筆頭演者]
福島 俊彦:1,2 
[共同演者]
中野 恵一:1,2、芦澤 舞:2、村上 祐子:2、竹之下 誠一:2、鈴木 眞一:1

1:福島県立医科大学 甲状腺内分泌学講座、2:福島県立医科大学 器官制御外科学講座

 

遺伝性甲状腺髄様癌は、多発性内分泌腫瘍症(MEN)2A、2B、家族性甲状腺髄様癌(FMTC)に大別され、遺伝性甲状腺髄様癌に占める割合は、それぞれ85%、5%、10%とされる。当科で経験した遺伝性髄様癌の臨床的因子を検討したので報告する。<対象>2007年から2013年2月までの期間に経験した遺伝性髄様癌5家系7例を対象にした。RET遺伝子検査に際しては、遺伝カウンセリングを行った。<結果>1.内訳:MEN2Aが3家系5例(RET変異は全例コドン634)、MEN2B(RET変異コドン918)とFMTC(RET変異コドン618)がそれぞれ1家系1例であった。2.手術時年齢:MEN2Aが24歳から60歳で、平均34歳、MEN2Bが40歳、FMTCが53歳であった。3.男女比:8例中男性3例、女性5例であった。4.病変の存在部位:MEN2B症例は左側であったが、その他は両側病変であった。5.腫瘍径:MEN2Aでは13-60mm、平均29mm、MEN2Bが25mm、FMTCが26mmであった。6.カルシトニンの推移:術前のカルシトニンは347-10914pg/mlで平均2783pg/mlであった。術後カルシトニンが正常化した生化学的治癒症例は7例中5例であった。7.組織学的リンパ節転移:リンパ節転移を認めたものは、7例中3例であった。3例いずれの症例も、中心領域、外側領域に転移を認めた。<考察>1.コドン634RET変異のMEN2A症例における甲状腺髄様癌は、20歳までにほぼ100%発症すると言われているが、5年生存率は96%と良好である。我々のシリーズでも、60歳の症例では、腫瘍径28mm、腺外進展なく、組織学的リンパ節転移9個であったことから、遺伝性髄様癌の発育、進展は緩徐であることが推察される。2.術後生化学的治癒が得られない症例は、術前のカルシトニン値が1500pg/ml以上、組織学的リンパ節転移個数が9個以上であった。また、組織学的リンパ節転移陽性症例3例中2例は、術前画像評価で、リンパ節転移陽性と判断していた。以上のことから、遺伝性甲状腺隋様癌に対しては、甲状腺全摘術と中心領域郭清は必須として、術前カルシトニン値1500pg/ml以上、術前リンパ節評価で転移陽性と判断した症例には、外側領域郭清を付加することが必要であることが示唆された。

キーワード

臓器別:内分泌

手法別:手術療法

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