演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

手術治療が施行された上部尿路上皮癌において喫煙歴の有無が膀胱内再発に及ぼす影響

演題番号 : O11-6

[筆頭演者]
菊地 栄次:1 
[共同演者]
萩原 正幸:1、田中 伸之:3、井手 広樹:3、松本 一宏:2、宮嶋 哲:1、中川 健:1、増田 毅:3、中村 聡:2、大家 基嗣:1

1:慶應義塾大学病院 泌尿器科、2:済生会中央病院 泌尿器科、3:さいたま市立病院 泌尿器科

 

【目的】喫煙歴の有無は膀胱癌の発生、癌進展と強く関連していることが知られている。一方、上部尿路上皮癌の予後に喫煙歴の有無が影響するかの知見は極めて少ない。今回、喫煙歴の有無と腎盂尿管全除摘術が施行された上部尿路上皮癌の膀胱内再発との関連を検証した。【方法】3施設(慶應義塾大学病院、済生会中央病院、さいたま市立病院)で1994年から2010年までに腎盂尿管全摘除術が施行された上部尿路上皮癌(Ta-4N0M0)は348例であった。このうち先行性(N=44)、あるいは同時性(N=33)膀胱腫瘍症例、喫煙歴のデータが不十分な症例(N=26)を除いた245例を対象とし喫煙歴の有無により3群に分類した(現喫煙群、前喫煙群、非喫煙群)。臨床病理学的因子に加え喫煙歴の有無と膀胱内再発との関連を統計的に解析した。喫煙歴の詳細(一日の喫煙本数、喫煙期間、一日の喫煙箱数x喫煙年数:pack-years)も合わせて検討に加えた。【結果】平均観察期間は51カ月であった。現喫煙群は72例(29.4%)、前喫煙群は52例(21.2%)、非喫煙群は121例(49.4%)であった。現喫煙群は他の2群に比べlow grade、T2以下、壁内脈管侵襲陰性症例の割合が高く、結果として術後補助化学療法施行例が少ない傾向が認められた。多変量解析において性別に加え、喫煙歴は独立した膀胱内再発を予測する因子であった。全症例を対象とすると膀胱内再発は122例(49.8%)に認められた。3年膀胱内非再発率は、現喫煙群、前喫煙群、非喫煙群でそれぞれ32.6%、37.6%、61.7%で非喫煙群と他の2群との間で有意差を認めた。現喫煙群と前喫煙群の比較において一日の喫煙本数20本以上の割合(73.6% vs. 76.9%)、喫煙期間20年以上の割合(95.8% vs. 90.4%)、pack-yearsが50以上の割合(36.1% vs. 36.5%)、いずれにおいても有意な差を認めなかった。次いで現喫煙群、前喫煙群を合わせた喫煙歴を有する症例のみ(N=124)を対象とすると、多変量解析において喫煙量(pack-yearsが50以上)が独立した膀胱内再発の予測因子であった。3年膀胱内非再発率は、pack-yearsが50未満の群で42.7%であったのに対して50以上の群で20.6%であった。【結語】喫煙歴の有無、喫煙の程度(喫煙量)は腎盂尿管全摘除術が施行された上部尿路上皮癌において術後膀胱内再発と強く関連していた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

前へ戻る