演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

前立腺癌症例におけるホルモン療法は膀胱癌の発生を抑制する

演題番号 : O11-4

[筆頭演者]
泉 浩司:1 
[共同演者]
上村 博司:1、矢尾 正祐:1、中井川 昇:1、槙山 和秀:1、林 成彦:1、逢坂 公人:1、横溝 由美子:1、今野 真思:1、三留 拓:1、窪田 吉信:1

1:横浜市立大学附属病院 泌尿器科

 

【背景】膀胱癌の発癌、進展にアンドロゲンレセプター(AR)シグナルが関与することが報告されているが、治療に応用されるには至っていない。一方、前立腺癌において抗アンドロゲン療法(ADT)は標準治療として確立されている。今回、前立腺癌と膀胱癌の合併症例を解析し、ADTが膀胱癌の再発を抑制する可能性について検討した。【対象、方法】1999-2012年までに横浜市立大学附属病院で膀胱癌と前立腺癌の診断がなされた37症例における77回(イベント)の初発あるいは再発膀胱癌について無再発生存期間をKaplan-Meier法で検討した。観察期間中央値は17.7カ月(1.2-192カ月)であった。【結果】ADT未施行群(45イベント)/施行群(32イベント)における膀胱癌の臨床病理学的背景はLow grade tumor 27/16イベント、High grade tumor 11/13イベント(p=0.207);pTa 29/24イベント、pT1+pTis 11/6イベント(p=0.578);単発腫瘍11/16イベント、多発腫瘍12/10イベント(p=0.396);随伴CISなし22/21イベント、あり5/4イベント(p=1.000);術後膀胱内注入療法なし29/18イベント、あり15/13イベント(p=0.396)であり、いずれもADT未施行群と施行群の間に有意差を認めなかった。一方、前立腺癌の臨床病理学的背景はPSA 11.3/26.3ng/ml(p=0.1114);cT1 13/7イベント、cT2+3 7/7イベント(p=0.487)と有意差は認めなかったが、Gleason Scoreは 6以下12/1イベント、7以上8/15イベント(p=0.013)とADT施行群で有意に高値であった。また、ADT施行群では未施行群に対して有意に無再発生存期間が延長していた(p=0.009)。【結語】今までに我々は正常膀胱上皮、膀胱癌でARが発現し、AR陽性の膀胱癌の予後は不良であること、マウス発癌モデルにおいて、ARシグナルが膀胱発癌に重要であることを報告してきた。今回の結果はこれらの基礎研究の結果を臨床的に裏付け、膀胱癌治療におけるADTの有用性を示唆するものであった。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:内分泌・ホルモン療法

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