演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

筑波大学における膀胱癌セカンドオピニオン外来の現状と問題点

演題番号 : O11-3

[筆頭演者]
木村 友和:1 
[共同演者]
市岡 大士:1、神鳥 周也:1、高岡 栄一郎:1、小島 崇宏:1、末富 崇弘:1、常楽 晃:1、宮崎 淳:1、河合 弘二:1、西山 博之:1

1:筑波大 腎泌尿器外科

 

【背景・目的】今や患者が最適な医療を受けるためにセカンドオピニオンを求めることは一般的である。しかし、癌腫によっては治療開始の遅れが病勢の進展と関連することがあり、セカンドオピニオン等により治療時期を遅滞の有無が生じていないかどうかは重要である。筋層浸潤性膀胱癌および一部のHigh-risk筋層非浸潤性膀胱癌では、標準治療として膀胱全摘術が推奨されるが、尿路変向を伴うため、時に患者の受容に困難が生じる。一方で、化学放射線療法による膀胱温存療法も確立されてきており、ガイドラインにもoptionとして記載されるようになってきた。本研究では、筑波大学における膀胱癌のセカンドオピニオン外来の現状と問題点を明らかにするため、各病期における治療方法、診断の差異、治療開始までの期間について検討する。【対象・方法】2011、2012年度に当院泌尿器科セカンドオピニオン外来を受診した170例の内、膀胱癌と診断され膀胱全摘術を勧められた106例について診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】年齢中央値は66歳(30-83)、男性が87例、女性が19例であった。居住地は関東が72例であり、残り34例は北海道から九州まで全国各地から紹介されていた。臨床病期はTisが1例、T1が16例、T2/3が78例、T2/3N1/2が8例、T4NxM0が2例、病期不明が1例であった。セカンドオピニオン問い合わせから当院受診までの期間は中央値9日(2-46)であった。画像、病理所見のセカンドオピニオン外来時の再評価では、13例で過小評価、反対に1例で病期の過剰診断となっていた。治療法としては、当院でも膀胱全摘が必要と判断したのは43例(41%)であった。セカンドオピニオン外来時に温存の適応範囲内の可能性があると説明した患者は58例(50%)、BCGなどの筋層非浸潤性癌としての治療法を提示した症例は9例であったが、転移有と診断した症例は2例あった。これらのセカンドオピニオンを受け、当院での加療を希望されたのは39例で、詳細は全摘が5例、動注化学療法併用放射線治療が15例、静注化学療法併用放射線治療が7例、非筋層浸潤癌としての治療が9例、全身化学療法が1例であった。当院で精査・加療を行った例では、セカンドオピニオン紹介から治療開始までの期間は中央値59日(21-116)であった。【結語】膀胱全摘の適応患者の中で全摘が必要な症例は約40%であった。セカンドオピニオンでは治療開始までに2ヶ月遅れるため適切で迅速な診断と治療が重要である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:集学的治療

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