演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

下大静脈腫瘍塞栓を伴う腎細胞癌に対する分子標的薬投与の有効性

演題番号 : O11-2

[筆頭演者]
福田 洋典:1 
[共同演者]
近藤 恒徳:1、大前 憲史:1、橋本 恭伸:1、小林 博人:1、飯塚 淳平:1、山田 浩史:1、斉藤 直:1、岡田 大吾:1、簑田 英将:1

1:東京女子医科大学病院 泌尿器科

 

【背景】転移性腎細胞癌の治療として分子標的薬が登場し大きな位置を占めるようになった。高い腫瘍縮小効果をもつことから、これを術前に用いることで手術成績の改善や合併症の軽減につながることが期待されてきた。その一貫で下大静脈腫瘍塞栓を伴う腎細胞癌に対して腫瘍塞栓の縮小を目的とした分子標的薬の術前使用が試みられている。【目的】下大静脈腫瘍塞栓を伴う腎細胞癌に対する術前の分子標的薬投与の有効性について検討した。【方法】下大静脈腫瘍塞栓を伴った腎細胞癌症例に対して当院で分子標的薬を投与した16例(ソラフェニブ1例、スニチニブ15例)を対象とした。投与前後の腫瘍塞栓の長さ及びレベルの変化を指標にその治療効果について後ろ向きに検討した。【成績】対象患者群の平均年齢は66歳で男性が12例(75%)、患側は右が5例(37%)であった。また分子標的薬投与前の腫瘍塞栓の高さはレベル1が2例(13%)、レベル2が7例(43%)、レベル3が3例(19%)、レベル4が4例(25%)であった。投与期間の中央値は2サイクル。また分子標的薬投与後4例(26%)で腫瘍塞栓の増大を認め、1例(6%)は変わらず、11例(68%)では縮小を認めた。しかし腫瘍塞栓の縮小の平均値は14mmと小さく、腫瘍塞栓レベルの低下に至ったものは3例(19%)のみであった。そのいずれにもスニチニブが投与されていた。7例(43%)では分子標的薬投与後に手術療法を行った。【結論】下大静脈腫瘍塞栓を伴う腎細胞癌に対する分子標的薬の効果は限定的であった。特に術前使用に関しては手術時期を逸する可能性もあり当科としては可及的速やかな手術介入が重要と考える。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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