演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

多施設共同臨床試験におけるセントラルIRBシステムの導入と審査期間の検討

演題番号 : O109-3

[筆頭演者]
中村 健一:1 
[共同演者]
水澤 純基:4、阿部 純:4、辻 典子:3、村上 智美:3、木村 綾:3、東大森 綾:4、村井 美智子:4、加幡 晴美:2、冨井 裕子:3、金戸 啓介:3、片山 宏:1、山下 紀子:1、柴田 大朗:2、福田 治彦:2

1:国立がん研究センター 多施設臨床試験支援センター/JCOG運営事務局、2:国立がん研究センター 多施設臨床試験支援センター/JCOGデータセンター、3:JCOG運営事務局、4:JCOGデータセンター

 

【背景】「臨床研究に関する倫理指針」では、多施設共同試験の場合、主たる研究機関で倫理審査委員会(IRB)の承認を受けた研究計画は、他の参加機関では迅速審査が可能と規定されている。従来JCOGでは迅速審査制度の活用を各研究事務局に委ねていたが、2012年4月以降、中央で一括して国立がん研究センターIRBへの申請代行を行い、承認後に審査資料を参加施設へ配布する体制を構築した。今回セントラルIRBシステムの体制構築がIRB審査期間に与える影響について検討した。【方法】2011/4/1~2013/4/12までにJCOGデータセンターで登録開始申請を受け付けた案件について、案件毎に審査形式(通常審査/迅速審査)と、JCOGでのプロトコール承認からIRB承認日までの期間を集計した。体制構築後の試験では迅速審査資料提供までの日数を集計した。2011/4/1~2012/3/31まで(Pre)にプロトコールが承認された5試験と、体制構築後の2012/4/1~2013/3/31まで(Post)に承認された6試験について、上記の要約統計量を比較した。【結果】Preにはのべ209施設、Postにはのべ164施設から登録開始申請を受け付けた。Postの6試験では、JCOG承認後6.4週(range, 5.6-9.7)で迅速審査資料を提供した。全申請に占める迅速審査利用の割合はPre 26.8%(56/209)、Post 25.6%(42/164)とほぼ同じであった。迅速審査で主たる機関のIRB審査資料を用いていたのはPre 64.3%(36/56)、Post 76.2%(32/42)と増加を認めた。JCOG承認からIRB承認日までの期間中央値はPre 14.9週(IQR, 9.7-19.9)、Post 17.3週(IQR, 10.4-31.9)と、体制構築後でむしろ延長する傾向であった。一方、主たる機関のIRB審査資料を用いた場合、JCOG承認からIRB承認日までの期間中央値はPre 14.9週(IQR, 12.4-18.9)、Post 12.9週(IQR, 9.1-19.0)と短縮する傾向であった。【結論】JCOG試験で迅速審査資料を一定の期間内に参加施設へ提供できる体制を構築したが、IRB承認までの期間は延長する傾向にあり、その一因として、倫理指針に沿った主たる研究機関のIRB審査資料の利用施設が増えたことが挙げられる。多施設共同試験におけるIRB審査の集約化は審査期間短縮以外のメリットも存在し、迅速審査の利用を今後も呼びかける方針である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:臨床試験

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