演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

多施設共同試験における個人識別情報使用制限機関での代替識別情報の使用実態

演題番号 : O109-1

[筆頭演者]
江場 淳子:3 
[共同演者]
中村 健一:1、加幡 晴美:2、東大森 綾:4、村井 美智子:2,4、柴田 大朗:2、福田 治彦:2

1:国立がん研究センター 多施設臨床試験支援センター/JCOG運営事務局 、2:国立がん研究センター 多施設臨床試験支援センター/JCOGデータセンター、3:JCOG運営事務局、4:JCOGデータセンター

 

【背景】がんの臨床試験ではしばしば多くの医療機関から登録された被験者の長期間の追跡調査を行うため、妥当な試験結果を得るためには仮に各医療機関の研究者の異動等があっても長期にわたる患者の確実な同定・追跡が可能な体制のもと、試験を実施する必要がある。そのため、JCOG試験に参加するほとんどの医療機関では患者識別情報としてカルテ番号と生年月日を用いている。医療機関の方針でカルテ番号等を外部提供できない場合には、カルテ番号以外の2nd ID使用等の代替識別情報を確実に運用する体制構築が必要となるが、実際には代替識別情報が適切に運用されていない事例がある。【方法】2012年12月時点で登録中・追跡中の全53試験を対象とし、代替識別情報使用医療機関数、登録数、代替識別情報使用規定の遵守/不遵守数、不遵守理由別の件数、CRF回収状況を調査した。【結果】全199参加医療機関のうち2nd ID使用機関(Type S)は8(4%)、2nd ID以外の個人識別情報使用制限機関(Type T)は6(3%)、残り186(93%)が個人識別情報使用機関(Type U)であった。総登録数13,335人のうちType Sからの登録数は191(1.4%)、Type Tからは307(2.3%)であった。不遵守割合(不遵守数/全登録数)はType S 33%(63/191)、Type T 31%(96/307)で、2nd ID使用8医療機関(A~H)別の不遵守割合は、A 75%(12/16)、B 46%(6/13)、C 33%(30/89)、D 30%(7/23)、E 19%(8/41)、F 0%(0/7)、G 0%(0/2)、H 0%(0/0)であった。不遵守全179件の内訳は、カルテ番号のマスクなし66件(36.8%)、生年月日のマスクなし50件(27.9%)、イニシャルのマスクなし51件(28.5%)、登録時マスクした情報の郵送なし8件(4.5%)、その他4件(2.2%)であった。CRF未回収割合は、経過記録用紙では、Type S 20.0%、Type T 10.9%、Type U 11.9%であり、追跡調査用紙では、Type S 2.5%、Type T 5.5%、Type U 2.4%であった。【結論】2nd IDを含む代替識別情報の管理・支援体制が十分とは考え難い実態が明らかとなった。代替識別情報の確実な運用が出来ていない現状では、カルテ番号の使用が強く推奨される。

キーワード

臓器別:その他

手法別:臨床試験

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