演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

浸潤性膵管癌に対する膵全摘の適応

演題番号 : O108-2

[筆頭演者]
羽鳥 隆:1 
[共同演者]
鈴木 修司:1、大島 奈々:1、君島 映:1、鈴木 隆二:1、出雲 渉:1、古川 徹:2、白鳥 敬子:3、山本 雅一:1

1:東京女子医科大 消化器外科、2:東京女子医科大 統合医科学研究所、3:東京女子医科大 消化器内科

 

【目的】浸潤性膵管癌に対する膵全摘の適応については一定のコンセンサスはえられていないが,切除例の治療成績の向上や残膵癌の診断が容易ではないこと,さらに膵全摘後の管理が改善されたこともあり,慎重に選択した症例に対しては一期的膵全摘の適応を考慮する必要がある.そこで,浸潤性膵管癌に対する膵全摘の適応を明らかにする目的で検討した.【対象】1978-2012年の肝転移,腹膜播種のない浸潤性膵管癌切除例883例の内,膵全摘を施行した43例を対象に,浸潤の程度に関係なく膵頭体部浸潤例に積極的に膵全摘を施行した1999年以前の前期症例(n=27)と,原発巣のR0手術が確保できる可能性が高く予後が期待できるが,残膵にIPMNやPanINなど非浸潤性病変を認める場合に膵全摘を適応するようにした2000年以降の後期症例(n=16)に分け,retrospectiveに検討した.【結果】1)前期症例:男性19例,女性10例,平均年齢61.3歳(41-79)であった.Stageは III 2例,IVa 15例,IVb 10例で,IVa以上が93%を占めていた.術式は全例胃切除を伴う膵全摘で門脈切除20例(74%),結腸部分切除13例(48%)であった.1例で術中放射線治療(IORT)が施行されていたが,その他は切除単独であった.術後生存期間中央値(MST)は7.8ヵ月,2年生存率3.7%で全例原癌死していた. 2)後期症例:男性8例,女性8例,平均年齢63.9歳(49-77)であった.StageはI 2例, III 7例,IVa 5例,IVb 2例で,III以下が56%を占めていた.術式は全例で胃温存術式が行われ(幽門輪温存12,亜全胃温存4),門脈切除9例(56%)であったが,脾温存例も3例(19%)認めた.2例が切除単独であったが,14例(88%)には術後補助化学療法または免疫療法が施行された.MSTは117.9ヵ月,5年生存率71.6%と前期より予後良好であった.【結語】原発巣のR0手術が確保できる可能性が高く予後が期待できるが,残膵に癌の発生が予測される病変を認める浸潤性膵管癌に対しては,一期的膵全摘も考慮すべきと考えられた.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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