演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膵体部癌に対するDP-CARの適応についての検討

演題番号 : O108-1

[筆頭演者]
杉浦 禎一:1 
[共同演者]
上坂 克彦:1、金本 秀行:1、岡村 行泰:1、伊藤 貴明:1、蘆田 良:1、栗原 唯生:1

1:静岡県立静岡がんセンター 肝胆膵外科

 

目的:当科で施行している腹腔動脈合併切除を伴う膵体尾部切除(DP-CAR)の手術適応及びその成績について検討する。対象と方法:当院のDP-CARの適応はa)癌の腹腔動脈幹または総肝動脈への浸潤を認めた場合(CA/CHA (+))、b)脾動脈根部までの浸潤を認め、脾動脈根部の処理が困難と判断した場合(CA/CHA (-))としている。また、上腸間膜動脈に浸潤を認めた場合は手術適応なしとしている。2002年10月から2012年4月までに当科で施行した、膵体尾部癌に対する膵体尾部切除術は66例、そのうち腹腔動脈合併切除を伴わない膵体尾部切除(DP)が52例に、DP-CARを14例に行った。DP-CARの中では、CA/CHA (+)群とCA/CHA (-)群をそれぞれ7例ずつ認めた。これらの短期、長期成績を比較検討した。結果:(1)DP群とDP-CAR群の比較では手術時間(中央値)は257分、334分(p=0.001)、出血量は498ml、941ml(p=0.013)、R1切除率は15%、43%(p=0.014)とDP-CAR群で有意に多かった。門脈合併切除はそれぞれ10%、29%と差を認めないもののDP-CAR群に多い傾向であった(p=0.066)。DP群とDP-CAR群で全合併症率(Clavien-Dindo IIIa以上)は69%、86%(p=0.318)、術後在院期間24日、25日(p=0.377)と有意差を認めなかった。両群に在院死亡は認めなかった。無再発生存期間(中央値)は15.1ヶ月、8.2ヶ月(p=0.022)とDP群が良好であったが、全生存期間中央値は28.3ヶ月、26.2ヶ月(p=0.347)有意差を認めなかった。(2)DP-CAR群でのサブグループ解析ではCA/CHA (-) 群と CA/CHA (+)群では、短期成績に差を認めなかった。R1切除率は28%と57%であったが、有意差は認めなかった(p=0.592)。無再発生存期間はCA/CHA (-) 群で14.3ヶ月、CA/CHA (+)群で3.8ヶ月(p=0.013)、全生存期間はCA/CHA (-) 群で31.2ヶ月、CA/CHA (+)群で13.3ヶ月(p=0.002)であり、有意にCA/CHA (+)群が不良であった。また、CA/CHA (+)群の7例全例が術後1年以内に再発を認めた。結語:DP-CAR症例はその生存率により2群に分けることができる。CA/CHA (-) 群はDP-CARの良い適応と考えられる。一方、CA/CHA (+)群は、その予後は極めて不良であり、borderline resectable症例とすべきと思われる。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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