演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肉眼的腹膜播種陽性胃癌に対するパクリタキセル腹腔内投与 第II相臨床試験

演題番号 : O107-5

[筆頭演者]
山口 博紀:1 
[共同演者]
北山 丈二:1、石神 浩徳:1、江本 成伸:1、渡邉 聡明:1

1:東京大学腫瘍外科

 

【背景】胃癌腹膜播種に対する標準的治療は定まっておらず、新たな治療法の開発が望まれる。肉眼的腹膜播種陽性(P1)初発胃癌に対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与の効果と安全性を確認するため、高度医療制度下第II相臨床試験を行った。【方法】初発胃癌において審査腹腔鏡により肉眼的に腹膜播種が確認された場合に本臨床試験の対象とした。審査腹腔鏡時に腹腔内注入ポートを皮下に留置し、S-1 80 mg/m2 (Day1-14)+パクリタキセル経静脈投与 (50 mg/m2, Day1, 8)・腹腔内投与(20 mg/m2, Day1, 8)、7日間休薬を1コースとした化学療法を行った。主要評価項目を1年生存率とし、副次的評価項目を奏効率および腹水に対する有効性とした。【結果】2009年12月から2010年11月までに35症例登録し、観察期間を最終登録より1年6ヶ月とした。投与コースの中央値は11(2-35)コースであった。1年生存率は77.1%、(95%信頼区間 60.5-88.1)2年生存率は44.8%、生存期間中央値は17.6ヶ月であった。標的病変を有した7症例において奏効率は71.4%であった。PCI (peritoneal cancer index) scoreが20以上の症例は20未満の症例よりも生存期間が短い傾向が認められた。腹水を有した21例中15例 (71%)において消失あるいは減少を認めた。グレード3/4の有害事象は好中球減少(34%)、白血球減少(23%)、貧血(9%)であり、非血液毒性は軽度であった。原発巣を有する32例中21例において、腹水細胞診が陰性化し、画像診断上明らかな非治癒因子を認めず、審査腹腔鏡により腹膜播種の消失あるいは縮小が確認され、胃切除を施行した。【結論】S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与併用療法は、P1胃癌症例に対し安全かつ有効な治療法である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:臨床試験

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