演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌に対する5-アミノレブリン酸を用いた光力学診断の有用性

演題番号 : O106-4

[筆頭演者]
並川 努:1 
[共同演者]
上村 直:1、志賀 舞:1、北川 博之:1、福原 秀雄:2、井上 啓史:2、執印 太郎:2、小林 道也:3、花崎 和弘:1

1:高知大学医学部 外科学講座外科1、2:高知大学医学部 泌尿器科学講座、3:高知大学医学部 医療学講座医療管理学分野

 

【目的】5-アミノレブリン酸塩酸塩 (5-aminolevulinic acid: ALA)は腫瘍選択性の高い光感受性物質の前駆体で、種々の癌腫に対して光力学診断 (photodynamic diagnosis: PDD)に使用されている。胃癌に対するALAを用いたPDDの有用性について検討した。【対象と方法】本研究の同意の得られた手術適応胃癌14症例19病変を対象とした。専用ビデオカメラシステム光力学診断装置 (Endovision TELECAM SL/IPMPDD System, Karl Storz Endoscopy Japan)、PDD専用腹腔鏡 (HOPKINS II Straight Forward Telescope, Karl Storz)を用いて、光源には300W Xenon lamp (Karl Storz)を使用し、励起光は380-440nmの青色光で、先端出力は50 mWとした。全身麻酔下にALA 1g (コスモ・バイオ)/5%ブドウ糖液50ml溶解液を胃管から投与し、摘除胃をPDD専用装置を用いて観察し、その病理組織学的所見と対比し評価した。【結果】年齢中央値は65歳 (51 - 82)、男性9例、女性5例、Stage I 10例、II 1例、III 2例、IV 1例であった。6症例、10病変で病変部に赤色蛍光励起を認め (PDD陽性)、正診率 57.1%、感度 52.6%、特異度 100%、陽性予測値 100%、陰性予測値 18.2%であった。赤色蛍光励起を認めなかった8症例9病変 (PDD陰性)と比較すると、PDD陽性群は陰性群に比し年齢中央値が高く (70歳 vs. 55.5歳; P = 0.030)、分化型胃癌が多かった (100% vs. 11.1%; P < 0.001)。腫瘍の大きさ、壁深達度、リンパ節転移の有無、病期、脈管侵襲の有無については有意差を認めなかった。分化型胃癌においては、正診率 89.4%、感度83.3%、特異度 100%、陽性予測値 100%、陰性予測値 77.8%であった。ALA投与に伴う有害事象は特に認めなかった。【結語】ALAを用いたPDDは分化型の胃癌において病変の的確な水平方向進展範囲の診断補助になる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:画像診断(イメージング)

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