演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における消化器悪性腫瘍に対する皮下埋め込み式中心静脈ポート合併症の検討

演題番号 : O105-6

[筆頭演者]
片山 政伸:1 
[共同演者]
重松 忠:1、古田 光寛:1、村井 克行:1、松本 寛史:1、岡島 達也:1、田中 基夫:1

1:済生会滋賀県病院消化器内科

 

(症例1) 50歳台女性。横行結腸癌(stage4)に対して皮下埋め込み式中心静脈ポート(以下CVポート)を右鎖骨下静脈に留置し、術後化学療法(mFOLFOX6)を施行中であった。化学療法開始6ヶ月経過した時点で突然の右上肢全体の浮腫が出現した。胸部造影CTにてCVポートカテーテル周囲に血栓の付着を認めた。血液検査では凝固能の異常は認めなかった。肺梗塞の危険が高く、上大静脈にフィルターを留置し、血栓を吸引除去したうえでCVポートを抜去した。(症例2) 60歳台女性。直腸癌(stage4・肝転移切除)に対してCVポートを右鎖骨下静脈に留置し、化学療法(XELOX)を開始された。化学療法開始した1週間後に右上肢の腫脹と熱感が出現した。胸部造影CTにて右鎖骨下から上大静脈、右心房内に血栓形成を認めた。抗凝固療法を開始し、血栓の縮小をえた時点で上大静脈にフィルターを留置しCVポートを抜去した。(考察) CVポートは大腸癌に対する化学療法であるFOLFOX療法やFOLFIRI療法の導入や在宅での緩和医療を目的に施行件数が増加している。今回2008年5月から2013年4月までに当院で消化器悪性腫瘍に対して化学療法目的でCVポートを造設した116例の合併症について検討した。内訳は大腸癌96例、胃癌11例、十二指腸癌2例、食道癌4例、胆道癌3例であった。CVポートに関連した合併症は 116例中6例(5.2%)であった。造設時の合併症として116例中3例(2.6%)で軽度の気胸を認めた。造設後の合併症としてポート抜去を必要とする症例は116 例中3例(2.6%)であった。3例中2例は静脈血栓症、1例は原因不明のカテーテル閉塞であった。CVポートにおける静脈血栓症の発生頻度は1.5~8.46%との報告がある。血栓形成のリスクとして左側からの挿入や、カテーテル先端が腕頭静脈内や上大静脈上部に位置することが挙げられている。当院で経験した静脈血栓症の2例はいずれも右側からの挿入で、カテーテル先端も上大静脈の下部であり、血栓形成のリスクとなる抗VEGF抗体の投与歴もなかった。CVポートのフィブリンシースによる閉塞の報告はあるものの、重篤な静脈血栓症合併の報告は少なく、稀な合併症と考えられ、発生時の正確な診断と対処が求められる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

前へ戻る