演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

皮下埋込み型中心静脈カテーテルの留置経過と合併症に関する比較研究

演題番号 : O105-4

[筆頭演者]
清水 智治:1 
[共同演者]
園田 寛道:1、目片 英治:1、太田 裕之:1、長澤 芳信:1、三宅 亨:1、村田 聡:1、塩見 尚礼:1、山本 寛:1、森 毅:1、仲 成幸:1、谷 徹:1

1:滋賀医科大学 外科学講座

 

【背景】皮下埋め込み型中心静脈カテーテル(CVポート)は癌治療にて一般的に用いられている。内頚静脈からのCVポートの留置の安全性を強調する報告も見受けられるが、実際に留置経路に関する比較検討を行った研究は少ない。本研究では、内頚静脈(IJV)と鎖骨下静脈(SV)からのアプローチによるCVポート挿入での留置経過と合併症を検討することを目的とした。【方法】2007年1月から2012年7月まで全身化学療法のためにCVポートが留置された患者233例(内頚133例、鎖骨下100例)について後方視的に臨床病理学的因子と早期及び晩期合併症を検討した。挿入部位決定は術者の判断にて行われた。早期合併症は周術期および外科処置により発生する合併症とし、晩期合併症は挿入後24時間以降に発生したものとした。【結果】患者背景として年齢、体重、BMI、疾患分布で両群間に有意差を認めた。予定された部位への挿入完遂率はIJV群(98.5%)がSV群(92.0%)に比し有意に高値であった。手術時間は有意にSV群で有意に短かった。早期合併症はIJV群(3.8%)、SV群(5.0%)で両群間に有意差はなかった。CVポートの留置期間はIJV群で有意に長かった。晩期合併症もIJV群(3.8%)、SV群(5.0%)で両群間に有意差はなかった。早期及び晩期合併症の種類についても両群で有意差を認めなかったが、カテーテル損傷・断裂の頻度は、IJV群(2.9%)、SV群(1.0%)であり有意差を認めなかったがIJV群に多い傾向にあった。合併症によるCVポート抜去のリスク因子を多変量解析にて検討したところ、BMI (高値ほど低リスク)、 緩和的使用、疾患分布(大腸癌患者でもっとも低リスク)の3因子が独立した危険因子として抽出された。【結論】予定挿入部位への完遂はIJVが高いが、早期および晩期合併症に関して挿入部位は影響がなかった。留置期間はIJV群で有意に長かったが、疾患分布による影響が考えられた。カテーテル損傷・断裂はIJVからの挿入では少ないと考えられていたが、SVからの挿入と同程度の頻度であることが判明した。以上より、CVポートの挿入経路は術者も最も特異とする方法を選択することができるであろうが、IJVからの留置も同程度に損傷・断裂などの合併症の危険性が伴うことを留意する必要がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

前へ戻る