演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ハイリスク前立腺癌に対する根治的前立腺全摘術と3次元原体照射治療の治療成績の比較

演題番号 : O102-5

[筆頭演者]
古家 琢也:1 
[共同演者]
岡本 亜希子:1、山本 勇人:1、畠山 真吾:1、米山 高弘:1、今井 篤:1、橋本 安弘:1、大山 力:1

1:弘前院 泌尿器科

 

【緒言】ハイリスク前立腺癌に対する単独治療の効果は十分であるとは言い難く,ガイドライン上でも明確な指針は示されていない.手術療法を前提とした場合,アンドロゲン除去療法(ADT)によるネオアジュバント療法がPSA非再発率の改善に寄与しないことが明らかとなっていることから,ドセタキセル等を含む様々なレジメンが試みられているが,今のところ満足のいく結果が得られていない.一方放射線治療に関しては,ネオアジュバントADTがPSA非再発率に寄与することが明らかとなってはいるが,根治を得るためには照射線量を出来るだけあげる必要があるとされている.当科では手術を前提としたハイリスク前立腺癌に対し,LHRH+エストラムスチン(LHRH+EMP)によるネオアジュバント療法を行い良好な治療成績を得ている .放射線治療は,照射線量78Gy以上でPSA非再発率が良好となるとされるが,両者を比較検討した報告はほとんどない.今回我々は,ハイリスク前立腺癌に対する両治療法の効果を,propensity score analysisを用いて比較検討したので報告する.【対象および方法】当科にて,ハイリスク前立腺癌に対しLHRH+EMP後に手術を施行した217例,および6か月以上のADT後に3次元原体照射治療(3D-CRT)を施行した80例中,propensity scoreにて背景をあわせた156例(各群それぞれ78例) を対象とした. LHRH+EMPは,LHRHを3か月毎,EMPは2カプセルを6か月間内服させた後,手術を施行した.3D-CRT群は6か月以上ADTを施行した後,総線量70~76Gyにて施行した.PSA非再発率はKaplan-Meyer法にてもとめ,両群の比較はLog-rank testを用いて行った.【結果】患者の年齢の中央値は72歳,初診時PSAの中央値は20.7ng/mL,経過観察期間の中央値は36か月であった.年齢,初診時PSA,臨床病期,生検グリソンスコア,経過観察期間に有意差は認めなかった.5年全生存期間は,3D-CRT群で92.1%,LHRH+EMP群で98.3%であった.5年PSA非再発率は.3D-CRT群で78.6%,LHRH+EMP群で82%と有意差を認めなかった.【結論】ハイリスク前立腺癌に対する治療は,LHRH+EMP,3D-CRTともに同様の治療成績であった.治療法は患者の社会的背景やQOLを重視して選択すべきであると思われた.

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:集学的治療

前へ戻る