演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Delayed orchiectomyを施行した進行性精巣腫瘍の臨床的検討

演題番号 : O102-3

[筆頭演者]
山田 成幸:1 
[共同演者]
齋藤 英郎:1、三塚 浩二:1、安達 尚宣:1、並木 俊一:1、海法 康裕:1、伊藤 明宏:1、中川 晴夫:1、荒井 陽一:1

1:東北大学大学院医学系研究科 泌尿器科

 

背景と目的:転移を有する精巣腫瘍の治療は、原発巣である精巣を摘除して病理組織を確認した後に導入化学療法を行うのが、一般的である。しかしながら、転移巣の拡がりによる自覚症状があり全身状態に強く影響している場合には、精巣摘除を行わずに化学療法を先行させる必要がある場合があり、EAU ガイドラインでも化学療法の先行が必要な病態について記載されている。今回、当科でdelayed orchiectomyを施行した症例を検討した。対象と方法:2001年1月から2012年12月に東北大学病院で治療した精巣腫瘍220 例中、delayed orchiectomyを施行した7例について後ろ向きに検討した。結果:年齢は19-55歳(中央値41歳)。初診時の症状(重複あり)は疼痛4例、呼吸苦2例、下肢浮腫1例、眼瞼浮腫1例。また、2例で水腎症、1例で下大静脈腫瘍塞栓を認めた。陰嚢外の自覚症状が無かった1例は、20cm以上の巨大精巣腫瘍で精索と陰茎海綿体への浸潤が疑われ根治的切除は困難と判断したため、化学療法を先行させた。3例は前医で転移巣の生検が施行され、1例は当科で原発巣の生検を施行、他の3例は治療前の組織評価なし。初診時IGCC分類は、良好群1例、中間群1例、不良群5例。精巣摘除までの化学療法回数は中央値4コースで、4例は後腹膜リンパ節郭清術と同時に施行、3例はマーカー正常化以前に行った。巨大精巣腫瘍の1例では化学療法1コース目に腫瘍崩壊に伴う敗血症を来たしたため、2コース目開始前に急遽高位精巣摘除を行った。摘出精巣の病理は壊死3例、奇形腫3例、1例で胎児性癌の残存あり。転移巣切除は5例に行い、壊死2例、奇形腫2例、精巣でviable cellを認めた1例は転移巣にも胎児性癌あり。観察期間中央値は26ヶ月で、癌なし生存4例、癌有り生存 2例、癌死 1例。結論:delayed orchiectomyを要する症例は比較的稀ではあるが、患者の全身状態を考慮し化学療法先行が必要かどうかを迅速に判断する必要がある。また、即時摘出が困難と思われる巨大精巣腫瘍の場合には、化学療法中の腫瘍崩壊に伴う変化にも留意すべきである。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:集学的治療

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